株式会社芳川鉄工所

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総務担当者が両立支援コーディネーター基礎研修修了。その後の相談・対応に活きる

企業概要

所在地 山口県光市大字小周防1100-12
業種 製造業
設立 1960年7月1日
従業員数 24名(2025年6月9日現在)
平均年齢 48歳 / 男女比 男性2:女性1
産業保健スタッフ 1名(栄養士)
事業内容 日本製鉄グループ内の製造設備の部品製作・部品補修をメインに、製缶加工や機械加工、産業機械装置を設計製作

取組の概要

総務担当者が両立支援コーディネーター基礎研修を受講したことにより、勤務情報提供書等の様式例の活用や主治医との連携など、スムーズに両立支援を実施できた

取り組んだ背景、経緯

  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)の山口支部から、「やまぐち健康経営企業認定制度」について案内があったことをきっかけに、2019年から健康経営に取り組んでいます。仕事と治療の両立支援に関する取組は、健康経営の一環で開始しました。
  • 2021年11月、就業規則を改定し、治療と仕事の両立支援制度を明記しました。治療との両立に利用可能な短時間勤務制度を定めるとともに、診断書作成にかかる費用を全額会社負担としました。就業規則の改定事項は、従業員の目に留まりやすい食堂などに掲示し、周知を図りました。
  • 健康経営の取組を推進する中で、2021年に総務担当者が両立支援コーディネーター基礎研修を受講したことが、治療と仕事の両立支援を推進する上で、大きな契機となりました。
  • 代表取締役 芳川 靖平さん

  • (同社提供資料)

取組・推進体制、労使での話し合いの機会

  • 両立支援コーディネーター基礎研修を受講した総務担当者が、社内での治療と仕事の両立支援の中心となって、治療が必要となった従業員の相談対応、医療機関との連携(必要に応じて)、従業員の状況にあわせた措置を行いやすい職場環境の整備等の対応を行っています。

POINT

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従業員からがんに罹患している旨の連絡を受けたときには、個々の状況に応じた対応を行うため、社長、部署の責任者、総務担当者(両立支援コーディネーター)で情報を共有しました。

関係者の情報共有

  • 両立支援コーディネーター基礎研修を受けた後、従業員からがんに罹患していると連絡を受けました。手術後、総務担当者(両立支援コーディネーター)が「勤務情報を主治医に提供する際の様式(勤務情報提供書)」に年次有給休暇の残日数や立ち仕事かどうかなどの勤務情報を記入して、従業員から主治医に渡してもらいました。
  • 退院後、主治医が記入した「治療の状況や就業継続の可否等について主治医の意見を求める際の様式(主治医意見書)」を従業員から提供してもらいました。この様式には、「業務の内容について職場で配慮したほうがよいこと(望ましい就業上の措置)」の欄があり、例えば重いものを持ってはいけないなど、職場で配慮すべきポイントが分かり、大変ありがたかったです。
  • また、「職場復帰支援プラン」の作成にあたっては、従業員の不安などに加え、従業員を通じて得た主治医からの情報を参考にしました。
  • <社内の両立支援コーディネーターの役割>

    (インタビュー内容を踏まえて作成)

POINT

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あらためて振り返ると、両立支援コーディネーター基礎研修を通じて両立支援の流れを学んでいたことで、こうした対応をすることができたと感じています。

前立腺がんに罹患した従業員への支援

  • 休業期間中の面談では、従業員が不安に思っていることを聞き取り、解消していくよう努めました。面談を繰り返す中で、職場復帰に際して、トイレの不安が大きいことがわかり、従業員の作業場の近くに簡易トイレを設置することにしました。トイレの不安がやわらいだことで、職場復帰について前向きに考えてもらえるようになりました。前立腺がんによるトイレの不安などは話しづらいと考え、必要に応じて、従業員が話しやすい人に困っていることを聞いてもらうなどの配慮をしました。
  • (同社提供資料)

POINT

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面談や声掛けを丁寧に行いながら、従業員の不安解消に努めました。不安軽減のための環境整備とともに、「職場復帰を待っている」というメッセージをしっかりと伝え、急がず、時間をかけて職場復帰を促していきました。

まずはこの一歩から!

  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)の山口支部のメールマガジンに登録して、健康づくりに関する様々なお役立ち情報を得ています。
    その中で、厚生労働省の治療と仕事の両立支援の記事に目が留まったことが、両立支援コーディネーター基礎研修を知るきっかけとなりました。

POINT

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自分だけで情報収集をすることは大変なので、健康づくりに関連した媒体をうまく活用することをおすすめします。

これから取り組む企業の皆さんへ

  • 病気にならずに済めばよいですが、現実には治療と仕事の両立が必要になることがあります。従業員の希望が実現するように、従業員と一緒に考えながら、働きやすい環境を整えていってはいかがでしょうか。
    (総務担当・両立支援コーディネーター:玉尾さん)

その他の取組

治療と仕事の両立支援に関する基本的な考え方・方針、提示方法

全従業員が参加する定例の食事会などで、社長から病気になっても会社が全面的に支援することを直接発信

  • 福利厚生の一環で、月に1回、全従業員で食事会を行っています。社長の声を届けることも目的としており、その場でも社長から「がん以外の疾患も含め、病気になったら会社が全面的に支援するので、休むときは休み、体調を見ながら少しずつ復帰して、会社で活躍してほしい」と伝えています。

休暇制度、勤務制度

従業員の希望や状態を踏まえて柔軟に設定できる短時間勤務制度を導入。従業員が働きやすい時間帯などを相談しながら柔軟に対応

  • 病気の治療をしているかどうかに関わらず、すべての従業員が、それぞれにあった働き方を選べるよう、希望を踏まえて個別に調整する方針としています。治療と仕事の両立のために利用可能な制度としては、短時間勤務制度や時間単位の年次有給休暇等があります。
  • 短時間勤務制度は、抗がん剤等の治療が必要となってフルタイム勤務が難しい場合などを想定して導入しました。勤務時間数については、社会保険の加入対象外とならない範囲で、従業員が働きやすい時間帯などを相談しながら柔軟に対応する仕組みとしています。治療と仕事の両立に限らず、育児、介護・看護など、様々な事由で幅広く利用することができます。
    がんに罹患した従業員は2名ともフルタイム勤務で職場復帰したため、今のところ治療との両立のために制度を活用した従業員はいません。

取組の効果、取組課題の克服方法、今後の展望

中小企業の規模を活かしながら取組を推進。健康経営や治療と仕事の両立支援に取り組んでいることは、求職者にも魅力

  • 取組にあたり、大きな苦労や課題は感じていません。中小企業ですので、病気のことを話しやすい職場環境づくりや、個別の状況を踏まえた対応などを行いやすく、中小企業だからこそ推進しやすい面があると感じています。
  • 従業員だけでなく、従業員の家族に対する働きかけも行っています。病気に罹患した従業員の家族に対しては、入院費など経済的負担に対する会社からの支援内容を伝えることで、経済的な不安解消を図っています。また、全従業員に対して、給与明細と一緒に個々の健康診断の結果を踏まえた健康配慮のメッセージを入れるなどの取組も行っています。
  • 健康経営や治療と仕事の両立支援に取り組んでいることは、求職者に魅力を感じてもらうことにつながっているのではないかと思っています。直接的な関係があるかはわかりませんが、女性の従業員も増えています。
  • (同社提供資料)

(令和8年3月時点)