社会福祉法人近江ちいろば会 ぼだいじデイサービスセンター虹

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従業員の希望や状態に応じた働き方について、柔軟に対応。機器の導入や負担のかからない介護方法を習得するノーリフティングケアの実践で従業員の身体への負担を軽減

企業概要

所在地 滋賀県湖南市菩提寺327-4
業種 医療、福祉
設立 1995年9月
従業員数 23名(2025年4月1日現在)
平均年齢 51歳 / 男女比 男性3:女性7
産業保健スタッフ 産業医1名(嘱託)
事業内容 社会福祉法人近江ちいろば会は在宅サービス事業を主に展開。ぼだいじデイサービスセンター虹は定員35名の通所介護事業所。介護機器の活用、定期的な介護技術習得のための学習を行い、介護職員の負担軽減・安全衛生の向上に努めている。

取組の概要

法人本部と現場の情報共有で、それまでなかった在宅勤務で職場復帰できるように対応。在宅勤務では自宅で作業可能な資料作成等の業務を担当してもらうことで、他の従業員の業務負担の軽減にもつながった。

取り組んだ背景、経緯

  • 体調不良が続いていた従業員に事業所の看護職員等が受診を勧めたところ、がんに罹患していることが分かり、すぐに入院し、手術を受けることになりました。入院中、事業所管理者との相談の際、退院後も就業したいと、職場復帰の意思を示してくれました。
  • 相談を受けた当時、治療と仕事の両立に関する社内制度は整備されていませんでしたが、従業員の職場復帰したいという思いに応えるために、職場復帰の方法を検討することになりました。

POINT

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職場復帰したいと伝えてくれた従業員の希望に応えることができるよう、不安に感じていることはないかなど、丁寧に話を聞いていきました。

取組・推進体制、労使での話し合いの機会

  • 職場復帰に際しては、事業所管理者と従業員との間での相談とは別に、法人本部の労務管理担当者も参加する三者面談を行いました。法人の労務管理担当者からは、傷病休暇などの制度に関わる説明や相談については説明があり、「この時期に復帰して、この期間はこのような働き方をしよう」など、具体的な復帰方法について話し合いました。また、一緒に働く従業員の理解も必要であるため、周りの従業員に対しても職場復帰のステップを伝え、協力を得るようにしました。

POINT

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事業所管理者と従業員の二者では、主に職場での働き方やシフトなどについて相談しました。傷病休暇などは法人本部が管理しているので、面談に出席してもらうことで、本人の知りたいことを情報提供することができました。

休暇制度、勤務制度

  • 傷病休暇を取得した後、職場復帰について話し合ったところ、しばらくは介護の現場での勤務は難しいということでした。しかしながら、在宅勤務は社内制度として導入しておらず、それまでに前例がありませんでした。そこで、法人本部に相談したところ、職場復帰支援の一環として認めてもらうことができ、在宅勤務で職場復帰することができました。在宅勤務での業務は、例えば、利用者の個別入浴計画などの資料作成を担当してもらいました。現場で負担になっていた書類作成を依頼できたことで、他の従業員の負担軽減を図ることができました。
  • 治療をしながらの業務となるため、身体への負担を考慮し、業務依頼の際には「この期間にこれらの業務を可能な分、進めてください。終わらなくても問題ありません。」など、本人が業務の負担を感じないように声かけをしました。
  • その後、がんに罹患した他の従業員からも申し出がありました。手術前は1日8時間×週5日勤務でしたが、本人の希望や体調を踏まえて、職場復帰後は1日4時間×週1日として、身体に負荷のかかる送迎や入浴介助はしないような業務としました。従業員の体調を丁寧に確認しながら、段階的に勤務時間を増やすことで、2か月ほどかけて、元の勤務時間に戻すことができました。

POINT

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在宅勤務は、治療と両立しながら働く従業員、現場の従業員の双方にとってメリットがあると実感しました。今後のためにも、事業所で行っている業務の中から、在宅でも可能な業務を予め整理しておきたいと考えています。

がんや白血病に罹患した従業員への支援

  • 従業員の健康管理には力を入れています。介護現場の仕事は身体に負荷がかかるため、長年、従業員の腰痛が問題となっていました。特に、小柄な従業員にとっては負荷が大きい状況にありました。
  • そこで、身体の負担を軽減する機器の導入や介護方法の習得を行い、ノーリフティングケアを実践しています。がんの治療を終えて復帰してきた従業員にとっても、身体に負担をかけずに仕事ができるので、実践して良かったと実感しています。さらに、この取組が評価され、2024年度には滋賀県の健康寿命延伸プロジェクトで知事表彰を受けました。
  • これまでに3名ほど、がんや白血病に罹患した従業員の治療と仕事の両立を支援してきました。入院や治療、自宅での療養のために休暇が必要な場合は傷病休暇を活用し、職場復帰直後は前述のように在宅勤務としたり、段階的に勤務日数や勤務時間を増やすなどしながら、職場復帰を支援してきました。
  • 仕事内容も、従業員に負担のかからない方法を提案し、少しずつ身体を慣らしていくことができるように配慮しました。また、従来の抱え上げる介護ではなくノーリフティングケアを導入していたことも、大きな職場復帰支援となりました。
  • (同事業所提供)

POINT

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罹患した従業員が同じ職場に戻れるように、法人本部と相談しながら、対応方法を柔軟に検討していきました。ノーリフティングケアにより、普段より身体に負担をかけない介護を実践していたことも、治療と仕事の両立を支援する上で、重要なポイントとなりました。

まずはこの一歩から!

  • 従業員から「がんに罹患した」などの相談を受けたら、まずは丁寧に話を聞き、制度は整備されていなくても、職場としてできることは何かを考えました。在宅勤務などに柔軟に対応することで、職場復帰を支援することができました。

POINT

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職場復帰支援の際には、『職場の都合ではなく、あなたにとってはこうするのが良いのではないでしょうか』と伝えて、一緒に考えるようにしています。

これから取り組む企業の皆さんへ

  • 従業員が健康を保ちながら働き続けられる職場は、皆で作っていくものだと考えています。事業所管理者である自身もその一人として取り組んでいます。「このような社内制度を設けたから治療と仕事の両立が実現できる」というものではなく、皆が自分事として、どうしたら両立しやすい職場となるかを考えていくことが大切です。
    (事業所管理者の上西さん)

その他の取組

関係者の情報共有

主治医意見書の記載内容を踏まえて、従業員本人にも確認しながら、職場復帰日や業務内容を調整。医師から情報を得ることで安心して職場復帰後の支援を検討することが可能に

  • 両立支援を申し出た従業員への対応については、主治医意見書を踏まえて、復帰日や復帰後の業務内容、働き方等について検討し、本人にも確認しながら調整していきました。主治医意見書に「身体に強度の負荷がかからないように」といった具体的な内容が記載されていることがあり、医師から業務への配慮等に関する助言を受けることで、事業所としても安心して職場復帰後の業務内容を検討することができました。

取組の効果、課題の克服方法、今後の展望

健康に働くことができる職場について従業員一人ひとりが考えることを支援し、治療が必要となっても安心して働き続けられる職場づくりを推進

  • 治療により病状が快方に向かっていたとしても、急に体調が不安定となり、勤務に対して不安に思うこともあります。従業員から話を聞いた時に、気持ちが落ち込んでいて、離職しようかと悩んでいることを打ち明けられたこともありました。そのような時は、本人の気持ちを受け止めつつ、本事業所でこれまで経験を積んでくれていることや、職場で人間関係を構築できていることなどを伝えながら、これまで通り働いてほしいという気持ちをやんわりと伝えるようにしています。このような働きかけも、治療と仕事の両立の支援につながっているのではないかと感じています。
  • 従業員1人ひとりが自分事として健康に働くことができる職場について考えることは、治療が必要になっても働き続けられる職場づくりにつながります。今後も、従業員が安心して働くことができる職場づくりに取り組んでいきたいと思います。
  • (同事業所提供)

(令和8年3月時点)