株式会社片桐製作所

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社内制度として「病気治療短時間勤務」を制定し、多様な働き方を受け入れる風土を醸成

企業概要

所在地 山形県上山市金谷字鼠谷地1453
業種 製造業
設立 1963年7月1日(創業1947年6月1日)
従業員数 220名(2025年11月26日現在)
平均年齢 42.7歳 / 男女比 男性7:女性3
産業保健スタッフ 3名(産業医(嘱託)2名、産業カウンセラー1名)
事業内容 精密冷間鍛造成形、高精度二次加工、超砥粒工具製造・販売、金型/超硬合金製造・販売

取組の概要

制度が明文化されていないと支援を受けづらいという社員の声に応え、育児短時間勤務制度をベースに、社内制度として「病気治療短時間勤務」を制定

取り組んだ背景、経緯

  • 当社の経営トップが「働く人を大切にする」という考え方を大切にしており、病気の治療によりフルタイムでの勤務が難しくなった社員に対しては、所属長等と相談の上、個別に労働時間を短縮するという対応を続けていました。
  • しかしながら、治療と仕事の両立のための制度が就業規則として明文化されていなかったことから、病気に罹患した社員本人より、「個別対応では特別扱いをされているようで、自分だけ労働時間を短縮しづらい」との声が上がりました。
  • そこで、育児や介護と同様に、治療との両立に関しても制度の制定が必要と考え、2021年3月に、治療と仕事の両立に利用できる「病気治療短時間勤務」を社内制度として制定しました。
  • 慢性的な人手不足の中、多様な働き方を制度として整えることで、今いる社員の定着につなげていきたいという思いもありました。

取組・推進体制、労使での話し合いの機会

  • 治療と仕事の両立支援も含めて、人事労務や福利厚生に関する取組に関しては、総務課の3名が中心となって推進しています。
  • 労働組合はありませんが、新しい制度を制定する際には、社員の代表者に説明を行い、理解を得るようにしています。

休暇制度、勤務制度

  • 「育児・介護休業・病気治療等に関する規則」の中に、治療と仕事の両立のために利用できる「病気治療短時間勤務」の規定を盛り込んでいます。
  • 勤務時間については、下記のとおり4パターンを設定していますが、実際には状況に応じて、この枠以外の時間帯でも柔軟に利用することが可能です。
  • 利用期間は無期限で、過去には3年半にわたり利用していた社員もいます。
  • 利用の対象者は、「病気を抱え通院等による反復・継続した治療を要する」社員としています。利用にあたって特別な書類の提出等は求めておらず、社員の申出があれば利用が可能です。
  • (インタビュー内容を踏まえて作成)

  • 同じく社内制度として、病気休暇を設けており、病気で長期間療養が必要となった場合に半年間利用できます。半年後、引き続き出社が難しい状況であれば、さらに1年間延長することも可能です。また、休暇中に1度でも出社をすれば、取得期間がリセットされ、そこから最大1年半利用することもできます。

POINT

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病気治療短時間勤務の周知にも力を入れました。詳しく内容を説明するのではなく、なんとなくでも「治療と仕事の両立に使える制度があるのだな」ということを知ってもらえるよう、事業所内の見やすい場所にポスターを掲示したり、ポータルサイトに情報を掲載したりしました。

難病に罹患した社員への支援

  • 製造現場で勤務していた社員が難病に罹患し、2023年夏に手術のため入院し、半年後に職場復帰することとなりました。しかし、他疾患も併発しており、主治医からは製造現場以外の業務に就くよう助言がありました。それを受け、検査業務の部署に異動してもらうとともに、病気治療短時間勤務を利用して復帰後1か月間は午前中のみの勤務、その後2か月間は6時間の勤務としました。
  • その後、他疾患は無事回復し、難病の症状も落ち着いているため、現在では通常の勤務時間に戻ることができています。

POINT

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病気治療短時間勤務があったことで、病気の回復状況に合わせた段階的な復職支援が可能となりました。

まずはこの一歩から!

  • 病気治療短時間勤務の規定を作成するにあたっては、他社事例などあまり参考になるものがなかったため苦労しました。しかし、検討を重ねる中で、育児短時間勤務の規定が活用できると気が付き、既存の制度をベースに作成していきました。

POINT

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まずは導入してみて、細かい部分はその後見直していく、というスタンスで、作成後も社員の声をふまえて勤務時間のパターンを増やすなど、数回の改訂を重ねました。

これから取り組む企業の皆さんへ

  • 中小企業では、社員が治療と仕事の両立が必要となった際、以前の当社のように制度を明文化せず個別に対応していることも多いかと思います。しかし経営者が考える以上に、明確なルールがない中での対応について特別扱いという意識を持ってしまう社員は少なくありません。貴重な人材の離職を防ぐためにも、ぜひ制度の導入を進めてみてはいかがでしょうか。
    (総務課:今野様、山口様)

その他の取組等

社外支援の活用

産業カウンセラーと契約し、社内には相談しづらいことも気軽に話せる窓口として活用

  • 主にメンタルヘルス面に関する社員の相談窓口として、社外の産業カウンセラーと契約しています。就業時間外に個別に相談することができ、相談時にかかった費用は会社負担としています。
  • 総務課でも個別相談を受けていますが、社内の相手には言いづらいこともあるかと思います。そうした際に気軽に相談できる相手として、産業カウンセラーを活用している社員が多いようです。治療と仕事を両立している社員にも、メンタルヘルス面での悩みを抱える人が少なくないため、必要に応じて産業カウンセラーにつなぐこともあります。

取組の効果、課題の克服方法、今後の展望

病気治療短時間勤務を明文化することで、社員の意識に変化。今後も社員への周知に注力

  • 治療と仕事の両立支援に取り組み、病気治療短時間勤務を明文化することで、多様な働き方が認められる会社であるという意識が社員全体に根付いてきたと感じます。
  • 一方で、短時間勤務や休業などが生じると、生産ラインに人手が不足するという問題は生じます。代替要員確保のため、65歳以上の社員にもパートで働いてもらったり、DX化で業務効率化を進めたりする取組についても、並行して進めています。
  • 今後も引き続き、社員に対する周知にも力を入れていきたいです。新しく採用される社員もいるため、社員向けの社内SNSなども活用して、定期的に制度の情報を発信していければと考えています。

(令和8年3月時点)