株式会社イボキン

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環境整備と個別支援の両面から治療と仕事の両立を支援

企業概要

所在地 兵庫県たつの市揖保川町正條379番地
業種 建設業/製造業/運輸業
設立 1984年8月
従業員数 166名(2025年12月現在)
平均年齢 40.8歳 / 男女比 男性7:女性3
産業保健スタッフ 3名
産業医(嘱託)1名、衛生管理者2名
事業内容 「解体事業」「環境事業」「金属事業」「運輸事業」を展開し、資源循環型社会形成のための総合リサイクル事業を営んでいる。

取組の概要

既に行っている健康経営や働き方改革の取組と連動しながら、治療が必要となっても従業員全員が安心して働くことができる環境を整備するとともに、従業員一人ひとりに寄り添った支援を実施

取り組んだ背景、経緯

  • 人材採用を強化するとともに、従業員の定着を図るため、従業員全員が安心して働くことができる環境を整備できるように取り組んでいます。環境整備の一環で、健康経営や働き方改革の取組を推進し、健康経営優良法人(中小規模法人部門)と「ひょうご仕事と生活の調和」推進企業の認定も受けています。
  • 2022年に、従業員が心疾患で入退院と通院を繰り返し、長期間の療養が必要になりました。当該従業員の職場復帰を支援していく中で、他にも両立支援を求めている従業員がいるのではないかと考えました。両立支援の申し出があった事例だけではなく、両立支援を必要とする従業員全員が支援を受けられるように、会社として本格的に取り組むことになりました。

取組・推進体制、労使での話し合いの機会

  • 治療と仕事の両立支援の担当は総務部と執行役員でもある管理本部長です。両立支援の相談窓口である総務部が相談を受け付けた後、キャリアコンサルタントの資格を持つ管理本部長のほか、職場の上司、総務部、産業医が連携しながら対応しています。
  • 治療と仕事の両立支援に限らず、健康経営、働き方改革等の取組を全社的に推進するにあたって、経営層の協力が必要です。当社の両立支援は執行役員も関わっているため、社内規程の策定やGLTD(団体長期障害所得補償保険)への加入などハード面の整備がスムーズに進みました。

POINT

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特に中小企業においては、組織全体で取組を進めるには経営層の理解が重要であるため、経営層をうまく巻き込んで取組を進めています

関係者の情報共有

  • 総務部が従業員から育児や介護、治療などの両立支援に関する相談を受けたら、管理本部長・職場の上司・総務部で、対応方針について検討を行います。
  • 治療にあたって休業する必要がある場合、今後が見通せずに不安になることが多いため、安心してもらえるよう、休暇制度やGLTD等の社内制度、職場復帰までの流れ等について説明するようにしています。また、従業員の不安を聞き取り寄り添うことで、出来る限り安心して休業できるように努めています。
  • 休業した従業員が職場復帰できる見込みが立ってきたら、産業医面談を実施しますが、産業医面談に向けて、総務部から従業員に対して、①主治医意見書の発行依頼と、②総務部担当者と職場の上司との面談の調整を行います。①に関しては、産業医面談時に、主治医の意見を参考とするために依頼しています。②は、主治医意見書の内容を踏まえつつ、休職前の職務内容や勤務日数・時間等に関する情報、および職場復帰後の働き方に関する従業員の希望を整理し、産業医面談に備えるために実施します。
  • これらの情報をもとに、従業員と産業医による面談を実施し、産業医から就業上の措置及び治療に対する配慮の内容等に関する意見をもらいます。
  • その後、産業医の意見を踏まえ、従業員を含めて、管理本部長・職場の上司・総務部の4者で、職場復帰にむけて具体的な働き方などの相談を行い、従業員の希望を最大限考慮した職場復帰支援プランを作成します。
  • また、職場復帰後も管理本部長・職場の上司・産業医などとの面談を定期的に行うようにし、その都度、従業員の不安や希望を聞き取るように心がけています。
  • これらの取組は、メンタルヘルス不調における職場復帰支援の経験が役に立ちました。また、厚生労働省のHPに掲載されている「事業場における治療と仕事のガイドライン」の内容はとても参考になりました。
  • (インタビュー内容を踏まえて作成)

POINT

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職場復帰支援プランを作成することで、支援内容が見える化されます。それは、関係者間の共通理解に役立つほか、具体的な支援内容が書かれているため、従業員にとっても安心材料になっているのではないかと考えています。

まずはこの一歩から!

  • 従業員数が少ない中小企業では、予算や人材が足りず、「治療と仕事の両立支援は難しい」というイメージを持つ方が多いかもしれません。当社では両立支援に本格的に取り組む前から、相談窓口の設置、GLTDやテレワーク制度の導入を行っていますが、それらの取組を組み合わせることで、治療と仕事の両立を支援することができています。

POINT

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健康経営や働き方改革は、国を挙げた取組であるため、経営層に働きかけやすいのではないかと思います。導入しやすい取組から始めてみることも1つの方法ではないでしょうか。

これから取り組む企業の皆さんへ

  • 従業員はそれぞれ、性別や年齢、家族構成、心身の状況などが異なるため、個別の対応が求められます。他方、全社共通の制度を整備し、会社全体で取組を推進していくことも必要です。両立支援を通じて、環境整備といった体制面と1人ひとりに寄り添うソフト面の両方を大事にすることが必要だと気づきました。
    (管理本部長(執行役員):吉田さん)

その他の取組等

事業者の基本方針の表明

基本方針を表明するとともに、具体的な取組内容もあわせて周知。対外発信にも注力し、社内外に対し、事業者としての姿勢をアピール

  • 労働安全衛生・健康経営について、「心と体の健康を守る」と「健康による社会貢献」を基本方針(方針・基本的な考え方)とし、具体的アプローチとして、病気との両立支援の推進を掲げています。
  • 月に1回開催される会社全体の会議や年3回発行している社内報を通じて、従業員に対し、基本方針や具体的な取組(治療と仕事の両立支援の相談窓口など)についても周知を図っています。
  • また、会社の公式ホームページでも基本方針を表明することで、事業者として従業員の健康を守るという姿勢を社内外にアピールしています。
  • <株式会社イボキンホームページの中の「社員への取り組み」ページ(抜粋)」>

    (同社提供)

取組の効果、課題の克服方法、今後の展望

取組を浸透させ、社内外から治療しながら働き続けることができる会社としてより一層認知されるようになることが目標

  • これまでに治療と仕事の両立を支援してきた従業員2名は、現在も元気に働いています。うち1名は休業前に現場の作業を行っていましたが、職場復帰後は業務転換し、後輩の指導を行う役割を担ってもらうことにしました。従業員の体調を配慮した業務の転換でしたが、本人の経験やスキルを活かし、後輩の指導の役割を担ってもらったことで、現場からは後進育成が進んだとの声があがっています。
  • 健康経営、働き方改革、治療と仕事の両立支援に地道に取り組んできたこと、また積極的に周知することで、社内外から治療しながら働き続けることができる会社として認知されるようになってきたと感じています。また、採用においてもプラスになっていると思います。
  • しかしながら、従業員全員が両立支援の取組を十分に理解しているとは限らないため、より一層周知に取り組みたいと考えています。直近では、社内ポータルサイト掲載用のパンフレットを新たに作成することを予定しています。

(令和8年3月時点)