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厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組事例

「大家族主義」「利他の心の深化と実践」を社訓とした両立支援

東振グループ

保健師 健康経営EXアドバイザー 松田 由宜子 様 (後列右側) と同僚の皆様

会社名
東振グループ  (株式会社東振精機、株式会社東振テクニカル、株式会社東振)
所在地
石川県能美市寺井町ハ18番地  (株式会社東振精機)
事業内容
ベアリング組込み用ローラー・精密ピン・シャフト類の製造など  (株式会社東振精機)
設立
1956年12月
従業員数
563名  (株式会社東振精機)  (2024年12月現在)
平均年齢
40歳/男女比 男性87.4:女性12.6  (株式会社東振精機)
産業保健スタッフ
嘱託産業医1名、専属保健師1名 (東振グループ)

東振グループはベアリング組込み用ローラーを製造している「東振精機」、心なし研削盤 (センタレス)・ベーンポンプを製造している「東振テクニカル」、そしてこのモノづくり企業2社を支える「東振」の3社で構成されています。経営理念である「全従業員の物心両面の幸せを追求するとともに人類、社会の発展に貢献する」を念頭に、海外ではできないモノづくり、納期では負けないモノづくり、コストでも負けないモノづくりを目指し、全世界へ「東振ブランド」を供給できる企業として、モノづくりを日本の地で、いしかわの地で続けていくことに全力を尽くしています。

年齢も価値観も異なる、従業員ひとりひとりに寄り添える組織に。

東振グループは1956年の創業以来「大家族主義」「利他の心の深化と実践」を経営方針に掲げ、従業員が心身共に健康で安心して仕事に励むことができるよう取り組んでいます。疾患を発症した従業員が安心して治療と仕事の両立をできるように支援することもその一環と考えています。

健康経営方針として「従業員の健康リスクの低減・健康増進を追求するために、職場環境を整えると同時に、年齢層や価値観、健康課題が異なる個々の従業員にできる限り寄り添い、各自が日常生活で取り組むことを決めて継続していくための支援を組織として大切にします。」を掲げています。両立支援は「健康課題が異なる個々の従業員にできる限り寄り添う」ことにあたると考えています。

相談窓口を広く周知し、社内規定を明文化。個々の状況に最大限サポートできるように。

従業員が安心して治療と仕事を両立できるよう支援体制を整えています。
相談窓口を社内に広く周知するとともに、診断書のデータ整理・休職中のコミュニケーション・復職時支援等の方法を社内規定として明文化し、疾患の種類を問わず組織的な対応ができるよう努めています。また、有給休暇や傷病手当の活用について労務担当部署のメンバーも交えて個別に相談をしながら決定しており、休職中の経済的負担が軽減できるよう配慮しています。さらに、主治医や産業医の助言を踏まえ、対象者の所属部署長や人事担当者とも相談をしながら柔軟な対応を行うことで個々の状況に最大限寄り添うよう努めています。

加えて、支援の際には、社内外問わず適時適切な情報共有ができるよう面談記録を管理するとともに、意見書・指示書等の厚労省が推奨している書式を積極的に活用し、主治医や産業医との円滑な連携を図っています。特に産業医とは来社日以外でもメールを通じて迅速な情報共有が可能な体制を整えており、治療と仕事の両立を安全かつ安心感を持って進められるようにしています。

病状は様々、年齢も様々ですが、きめ細かな対応で安心して働ける環境を目指しています。

  1. 事例① 糖尿病
    ■対象者の症例
    40代後半の男性。工場での交替勤務。健診において空腹時血糖値が546mg/dlと極めて高かったため、健診機関から会社保健師へ緊急受診勧奨の連絡があった。
    ■企業としての対応
    • 即時受診するよう指示。
    • 対象者が即時受診し、インスリン治療が開始された。コロナ禍で教育入院ができず、外来で自己注射手技や注意点の指導を受けることになった。
    • 復職後、低血糖時の対応や治療内容について本人と確認し、部署リーダーとも情報を共有した。
    ■その後
    疾患の特徴や日常生活・就労時の疾患管理上の注意点への理解を深め、就労を継続できている。企業側も相談窓口の周知を行い、遅延なく対応ができるよう努めている。
  2. 事例② 脳梗塞
    ■対象者の症例
    50代前半の男性。工場勤務 (交替勤務はなし) 。週末 (休日) に脳梗塞を発症し、緊急入院。その後、リハビリを経て自宅生活は可能になったが、配慮が必要な障害が残存しての復職となった。
    ■企業としての対応
    • 入院初期から対象者の家族 (本人に代わって重要な役割を果たすキーパーソン) と連絡をとり、家族を通じて病状やリハビリ状況を随時把握。
    • 主治医と連携し、就業上必要な再発防止への配慮や障害特性に応じた配慮を確認。
    • 復職時には産業医面談に加え、対象者・家族・部署リーダーとの話し合いを実施し、対象者・職場の注意点を確認し共有した。
    • 対象者の意向を踏まえて職場での情報共有内容を決定し、対象者へも配慮しながら周囲の支援と理解を促した。
    ■その後
    復職後も主治医・産業医・対象者・家族・部署リーダーとの連携を継続しており、障害の改善・変化に応じた適切な配慮を行っている。

誰に相談するかを明確にし、連携・相談しやすい職場づくりを推進しています。

相談窓口を明確にすることで、従業員や管理職が必要な際に適切な制度や手順について相談できる体制を整えています。また、産業保健総合支援センターや障害者就業・生活支援センターと連携・相談して支援させていただくこともあります。これらの取組により個々の状況に応じた柔軟な支援を可能とすることを通じて治療と仕事の両立がしやすい職場づくりを推進しています。

治療と仕事の両立支援により、疾患を抱えた従業員が就労を継続できることが
これからの社会にとって重要と考えます。

誰もが病気になる可能性がある中、その際に就労を継続できるかどうかは、個人とその家族の生活を左右する大きな問題であり、不安も大きいことは確かです。ゆえに、従業員が安心して治療と仕事を両立できる環境を整えることにより、自身が両立支援を受けたかどうかに関わらず、会社が従業員1人1人とその家族を尊い存在として大切にしていることが伝わると思います。これこそ、東振グループが創業以来掲げてきた「大家族主義」「利他の心の深化と実践」という経営方針の実現であり、従業員の会社への満足度の向上そして生産性の向上につながるのではないかと期待しています。

また、今後は労働力人口が減少していくことから、両立支援により疾患を抱えた従業員が就労を継続できることが、働き手確保の観点から会社にとってより重要となっていくと考えています。従業員の高齢化も進む中で全従業員に安心してもらえるよう両立支援について社内周知を強化していくと同時に、地域全体の活性化に繋がるよう両立支援の方法を模索していらっしゃる近隣企業様にとってのロールモデルとなることができればと考えています。

取組事例一覧