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厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組事例

「生ききる」を支えるために

エーザイ株式会社 筑波研究所

エーザイ株式会社 筑波研究所

会社名
エーザイ株式会社 筑波研究所
所在地
茨城県つくば市東光台5-1-3
事業内容
神経領域およびがん領域の創薬研究など、グローバルヘルスへの貢献を目指した創薬活動
設立
1982年
従業員数
456名 (2023年4月1日現在)
平均年齢
40歳 /男女比 男性7:女性3
産業保健スタッフ
3名

“ヒューマン・ヘルスケア(hhc)”を企業理念に掲げるエーザイ株式会社は、医療用医薬品を中心とした研究開発、製造、販売などの事業をグローバルに進めています。今なお十分な治療法が確立していない疾病の多い「神経領域」と「がん領域」を重点領域とし、国内事業所の筑波研究所では、革新的新薬を創出するなど創薬研究の中心的な役割を果たしています。一方で、エーザイグループの全従業員は就業時間の1%を用いて患者と共に過ごし、喜怒哀楽を共有する“共同化”を実施。ヘルスケアの多様なニーズの充足を目指す共同化は、治療と仕事の両立支援にも活かされています。

従業員の健康的な人生を支える「エーザイ健康宣言」

当社では、ヒューマンヘルスケア(hhc)理念の担い手である従業員の健康を重要事項と位置付け、2019年に「エーザイ健康宣言」を行いました。「体と心の健康」「ワークとライフの健康」「ソーシャルの健康」を基盤とする健康宣言では、従業員の心身の健康とともに、人生の在り方を見つめ直し、社会とのつながりを実現する職場づくりを目指しています。従業員が健康であり、かつ最適な働き方を追求することは、結果的に企業価値を向上させ、お客様をはじめ生活者の皆様の健康を支えることにつながります。
当社の健康宣言は、治療と仕事の両立支援の基本的な考え方にも通底していると考えます。

不調を未然に防ぐ「健康診断とストレスチェック」

治療と仕事の両立支援を実施する背景には、従業員の平均年齢の上昇があります。年齢にともない健康診断で要再検査となる従業員が増える傾向にあります。会社の人財確保という面でも、深刻な状態になる前に対応することが求められ、当社は健康診断を拡充。年1回の健康診断とともに、産業医の指示や健康保険組合の特定保健指導につなげるアフターフォローを整備しています。加えて、35歳から5年ごとに人間ドックを受診できるようにし、生活習慣病などの早期発見や予防に取り組んでいます。

体だけでなく、心のケアも重要です。そのため、当社ではメンタルヘルスケア体制において、年1回のストレスチェックを実施しています。従業員一人ひとりのストレスの程度を把握し、場合によっては産業医や外部カウンセラーとの面談を設けるなど、メンタル不調を未然に防止することに努めています。

医学的な観点と、就業の視点を踏まえた段階的な復職支援

治療と仕事の両立支援として、近年増加傾向にあるメンタル不調における治療や復職には、特に細心の注意を払っています。メンタル不調の症状や回復度合いなどは個人差があるため、たとえ休職後に主治医から復職のゴーサインが出たとしても、当社ではすぐに復職させるのではなく、最低1カ月間のトライアル出勤(仮復職)の期間を設けています。期間中は産業医との面談の場を設け、経過観察を踏まえて問題がなければ本格的に復職していただいています。この時、復職をジャッジする専門の精神科産業医を配置しています。

脳疾患や心疾患などを抱える従業員の場合も同様に、就業制限を設けるなど段階的に復職する仕組みを構築しています。主治医による医学的な観点はもちろん、産業医による就業判断の視点、現場責任者の見解などを踏まえることで、安心して働き続けられる職場環境が醸成されると考えています。

従業員の声をすくい上げ、“我慢”のない職場へ

両立支援においては、従業員の声をすくい上げることも重要です。心身に不調をきたしても“我慢”してしまうことで悪化や重症化するケースは多いため、当社では産業医や医療スタッフの相談窓口を設けています。また年1回の個人答申書を通じて、家庭環境や健康状態を会社へ伝達する仕組みや、直属の上司と1対1でコミュニケーションを図る機会を設け、“我慢”せずに受診や治療につなげられるよう、職場環境を整備しています。

さらに当社内の「人財ポータルサイト」を刷新し、情報の一元化も進めています。同サイトでは、就業規定や有給休暇制度、健康保険などの情報を網羅。たとえば、長期の治療が必要になった場合は、通常の有給休暇とは別に、使い切れずプールされていた有給(最低50日)を活用することができるため、同サイト内で手続き方法などを記載することでスムーズに申請できる仕組みになっています。

仕事も家庭も、退職後の人生も全うするために

エーザイグループの全従業員は、研究職や法務、労務などの部署に関わらず、就業時間(年間)の1%を用いて、病気を患われた方々と時間を共に過ごし、喜怒哀楽を共有する“共同化”を実施しています。がんの患者様と一緒に時間を過ごしながらお話を聞いたり、認知症の介護現場に赴くなど、患者様の想いを感じ取ることに重きを置いています。たとえば、会社の労務政策に携わる従業員は、精神疾患を抱えながら仕事を両立する患者様の想いに触れることで、その経験を当社の治療と仕事の両立支援に活かすことができています。言葉にならない想いに向き合い、想いを感じとることが何よりも重要だと実感しています。

人生は仕事だけではありません。家庭があり、プライベートな時間があり、退職後も続きます。人生を全うし“生ききる”ためには、長期的に健康に取り組む必要があります。“生ききる”を支えるためにも、治療と仕事の両立支援に取り組んでまいります。

取組事例一覧