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両立支援の取組み事例

「健康で、明るく、楽しく、元気に」 お客様満足度向上に直結する両立支援の取組み「健康で、明るく、楽しく、元気に」 お客様満足度向上に直結する両立支援の取組み

 1957年(昭和32年)創業の株式会社デンコードーは、東北・北海道において家電専門店舗を展開し、2007年(平成19年)に株式会社ケーズホールディングスの子会社となり、104店舗、配送・修理センターなど18拠点を展開している(2020年11月現在)。正社員、契約社員を合わせて3,371名が働いており、正社員比率は約36%、平均年齢は42.18歳だ。同社では非正規社員を含めた全従業員を対象として両立支援に取り組んでいる。

非正規社員も含めた全従業員が両立支援の対象

 同社が、治療と仕事の両立支援に取組むきっかけとなった背景には、2011年の東日本大震災の後にメンタルの不調を訴える従業員が増加したことがあったという。
「病気の方が増えていく中で、診断書が添付された休職届の書類を処理するだけでよいのかと思うことが増えていきました」と、同社 管理部 総務人事担当アドバイザーの田澤氏は振り返る。

 まず田澤氏が着手したことは、会社から全従業員に向けたメッセージの発信だった。
「トップから『病気になっても辞める必要はない』『会社はちゃんと支援するよ』というメッセージを、店舗訪問時や毎月の会議の冒頭などで繰り返し発言してもらいました」(田澤氏)。

 同社が両立支援に取組む意義とは、継続的な人財確保や定着だけではなく、働く方の安心や全従業員のワークライフバランスの実現のため、また会社の社会的責任を目指すためだと位置付けている。一方で従業員本人にも、支援は本人の申し出が原則であること、治療や服薬の継続、適切な生活習慣を守るといった前提を理解してもらった上で会社は支援する、という考え方を基本としている。

 このような考え方を全従業員に理解してもらうために、定期的に研修を行い、ガイドブックを作成して全店舗の休憩室に置いてもらうように所属長にお願いして回ったという。
「でも、両立支援を体験した従業員の存在が一番の教科書なんです。『会社はこんな支援をしてくれたんだよ』と、広めてくれることで理解が深まります。もし、両立支援を受ける状況になったらまずその人のところに質問や相談に行くケースが増えています」(田澤氏)。

 支援の申し出がしやすい環境づくりを目指して、事業所には相談窓口の案内や個人情報の取扱いを明確にしたポスターも掲出している。



本人からの情報収集と医師との密な連携で両立支援を推進

 同社の両立支援の流れは次のようになっている。
 ①本人からの情報収集
 ②本人と会社の面談
 ③会社と主治医との連携(会社はまず主治医に意見を求める)
 ④産業医と会社との連携を図る
 ⑤産業医と本人の面談を実施し、最終的に会社は両立支援プランを提示する。

 勤続32年のベテランで、家電販売担当主任として活躍していた男性社員(56歳)が、胸部下部食道がんの手術を受けた例がある。主治医から外来通院および自宅療養を必要とする、という診断書を受け取っていたが、本人はその期間よりも早く復帰し、すぐに8時間のフル勤務をしたいと申し出たのだ。しかし、会社は両立支援の流れに則り情報収集と各方面との連携を図り、段階的に勤務時間を増やしていく短時間勤務(具体的には、5時間を2週間、6時間を2週間、7時間を1週間)という両立支援プランを作成。本人、上司の了解を得て職場復帰を支援した。

 復帰時には『両立支援プログラム/職場復帰支援プラン記録簿』を用意して、日々の体調や自身で立てた計画の実行に関する自己判断を出勤日に記入してもらい、2週間ごとの上司面談はこの記録簿をもとに実施される。「もし本人の様子の変化や体調不良などが発生すればすぐにプランの見直しを行います。重要なことは『無理しない、させない』ことなのです」と、田澤氏。

 また、同社では支援を受ける本人の年齢や性別に合わせて面談担当者を変えている。「相談しにくい雰囲気にしては意味がありませんので、男性には男性担当者が相談窓口となるように、相談者の性別に合わせて担当者を分けています。本人の現在の状況や希望する配慮事項を、きちんと話していただくことが最優先だと考えています」と、田澤氏は説明する。


両立支援制度もバージョンアップしていけば良い

 人事担当としては、両立支援が必要な従業員の話をしっかり聞くことが第一歩だ。病気や病状は様々だから、会社として対応が難しいことが必ずでてきてしまう。しかし、できるように変わっていくことは両立支援制度のバージョンアップだと前向きに考える心構えも大切だという。

 最後に「両立支援の取組みによって、楽しく復職できて、短時間勤務からフル勤務になり、『病気になる以前のように戻りました』と言っていただくのが私たちの喜びです。その思いが次に進む原動力になってきました。当社は接客業ですから、自分たちが『明るく、元気に、楽しく』なることで、お客様にデンコードーで買って良かったと思っていただきたい…。そのためには従業員は健康でなければダメですよね」と、田澤氏は微笑む。そして、さらなる両立支援策のバージョンアップに取組んでいく。

©Ministry of Health, Labour and Welfare