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両立支援の取組み事例

治療と仕事の両立支援の体制は対象者の有無にかかわらず、平時から備えておくことが大切治療と仕事の両立支援の体制は対象者の有無にかかわらず、平時から備えておくことが大切

 鹿児島県鹿児島市田上に本社を置く新日本技術コンサルタントは、1973年に創業した建設コンサルタント会社である。その業務領域は広く港湾、橋梁、河川、道路、上下水道といった土木インフラの構想、計画、設計などを行う。当社における治療と仕事の両立支援について紹介する。

体制整備の背景にあるのは「三つの誓い」

 同社は2017年から3年度連続で健康経営優良法人の認定を受け、鹿児島県における女性活躍推進宣言企業にも登録されている。両立支援も含めた健康経営に力を注ぐ背景には、創業者である上野光夫氏が制定した、以下の「三つの誓い」があるという。



 同社の児玉史彦氏は、次のように話す。
 「私が社会人になったばかりの頃は『24時間働けますか?』といったキャッチフレーズに人気が集まる時代でしたが、4年ほど前、当社への転職を誘われた際に、 この『三つの誓い』を見て、早くから『絶えず健康に留意する』ことを宣言していたことを知り感動しました」(児玉氏)

治療の「時間」を生み出すための取り組み

 2017年から本格的に両立支援の体制整備に着手。当時、社員の中にメンタルヘルス不調者が複数発生し、対応を講じようとしていたこともあり、両立支援の整備はスムーズに進んでいった。中でも職場に大きな変化をもたらしたのが、年5日分を上限にした「時間有給制度」の導入だった。

 児玉氏は、「丸1日有給を取得すると業務に支障が出る場合もあります。そのため、時間単位で有給を取得できるようにしました。さらに有給の取り方自体も、かつては『子どものPTA会合があるため』『体調を崩して通院したい』など、書面に理由を記す必要がありましたが、現在は『私用のため』でOKとしています」と、より効率よく、また職場に過度の遠慮を必要としない有給の仕組みを整えたことを紹介する。
 この他、親の介護が必要になった社員が、有給休暇を使い切ってしまうということが起きたので、病気療養や介護、ボランティアなどに活用できる制度として、2年以上経過し失効してしまう有給を最長50日まで積み立てることができる「積立有給休暇制度」を整備した。

 「この制度は、日常的な通院には時間有給制度や時短制度を活用でき、治療との両立支援のために長期的な療養が必要な場合も、積立有給休暇があることで安心して療養に専念できます」

相互扶助の精神を根付かせ、誰もが活躍できる会社にしていきたい

 なお、社員が病気になった場合には、数年前から設置されている衛生委員会が窓口となる。同社には常時50名以上の従業員がいることから産業医(嘱託)がおり、この両者の連携の下、快適な職場環境維持のため、年2回のストレスチェックテストを実施、社内でのインフルエンザ予防接種なども行い、両立支援をセーフティーネットとしながら、健康経営の徹底に注力している。

 「衛生委員会の設置については、産業医の先生の存在が大きいと感じています。当初は会社の中にドクターがいることに違和感のある社員もいたと思いますが、委員会の入れ替えで、メンバーを経験する社員が増えるにつれ、産業医の先生との距離が縮まっていきました。身近なところに何でも相談できる先生がいることが、今では大きな安心につながっています」

 今後については「インターバル制度、シフト制度、テレワーク制度などの導入も検討している」と語る児玉氏は、課題として、社内への理解が限定的であることと、生産性の向上を挙げる。

 「体調を崩した社員を比較的に忙しくない部署に異動したり、業務量を減らすようなことをしたりすると、特定の社員を甘やかしているように映る部分があるような気がします。その誤解を解くためには、『相互扶助の精神』を社内に根付かせることが必要だと思います。『相互扶助の精神』が根付き、安全で安心できる職場が確立されることで、それが生産性の向上へとつながると考えています。たとえ病気になっても、安心して治療と仕事を両立させて活躍できる。そうした会社を、これからも目指していきます」

©Ministry of Health, Labour and Welfare