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両立支援の取組み事例

「これからも働き続けたい!」との社員の思いを受け産保センターと連携しながら両立支援に取り組む「これからも働き続けたい!」との社員の思いを受け産保センターと連携しながら両立支援に取り組む

 岡山県美作市に本社を置くショウワコーポレーションは、アウトソーシング事業(人材派遣・職業紹介)、マニュファクチャリング事業(自社工場での受託製造・OEM製造)、物流事業(貨物運送・倉庫)、クリエイティブ事業(広告代理)、システム事業などを行う。当社における治療と仕事の両立支援の取組事例を紹介したい。

岡山産業保健総合支援センターと連携し、社員の両立を支援

 両立支援の取組を始めるきっかけとなったのは2019年3月、40代の営業職の社員ががんを罹患したことから。この情報は本人から上長、そして本社総務部の藤木氏へも伝えられた。2017年に「治療と仕事の両立支援セミナー」を受講していた藤木氏は、その時に得た情報を参考に、地元の岡山産業保健総合支援センター(以下、岡山産保センター)に連絡。本人に、会社として両立支援を行えることを伝えた。

 当該社員の抗がん剤治療が開始されたのは、2019年3月19日のこと。同月22日、岡山産保センターより2名が来社し、病状と治療の内容、本人の就業に対する意向などのヒアリングが行われるとともに、雇用形態変更の事例、会社と主治医間の情報交換、間を取り持つソーシャルワーカーの紹介など、両立支援の進め方に関する情報のやりとりが行われた。
 「2017年にセミナーに参加したとはいえ、具体的に何から始めればよいのか分からないまま、実際に両立支援が必要な状況になり、とまどいました。しかし、岡山産保センターからの説明を受け、少し安心したことを覚えています」(藤木氏)

 藤木氏らはさっそく、労働者が入院している病院のソーシャルワーカーと連絡を取り合い、ソーシャルワーカーを仲介者としながら、入院中の本人と情報の共有を行った。また、本人から事前に提供されていた治療計画に基づき、同社産業医にも相談。職場復帰に関する見解を得たという。

 そして翌月、抗がん剤治療が一段落した時点で本人と面談。現在の意向をヒアリングした上で、営業から内勤への業務内容変更と、勤務時間短縮を決めた。社員は同月中に新しい業務で就業を開始した。

 ところが病状が悪化し、5月に再入院。6月には担当医師と面談し、現在の病状やその後の治療方針などを確認して今後の支援について検討を始めたが、その直後、同社員は他界したという。

 「担当医師との面談時には、病気に関すること以外にも、本人から『これからも働き続けたい』という強い思いも伝えられており、会社として、本格的に両立支援に取り組もう考えていた矢先のことでした」(藤木氏)と振り返る。

我が社の両立支援はまだ始まったばかり。「一歩ずつ」改革したい

 同社はこの時の経験を踏まえ、社内規定を見直すとともに、本格的に両立支援の施策を社内に展開させようとしている。

 従来の休職規定では「私傷病での欠勤が1カ月を超えた社員に1カ月の休職を認める」としていたが、新たな規定では、勤続年数に応じて60日間〜最大150日間の休職期間を定め、規定の休職期間を経過した場合も、復職の見込みのある社員に対しては、休職期間を延長できるようにする考えだという。

 「取り組みは始まったばかり。一歩ずつ改革している状況です」という藤木氏は、今後の展望を「社員の傷病と両立支援に対する理解向上を、管理職をはじめとした全社的に図ることや、当社は人材派遣を主としており、短期の有期雇用労働者が中心となっていることを踏まえ、有期雇用の派遣社員に対しての休職規定の適用拡大にも取り組まなければならないでしょう」とし、「『人を大切に、地元を大切に』という社内理念の下、社員同士、お互いさまと考えられる企業風土を醸成できるよう、情報発信、啓発を続け、治療と仕事の両立が可能な、安心して働ける職場づくりを今後も推進していきたいです」と抱負を語った。
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