厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組み事例

どうすれば働けるのか?を第一に
1人1人に寄り添う両立支援を

コープデリ生活協同組合連合会

人事部 部長
中村 仁
総務部 労働安全衛生課
担当主任(看護師)
深井 好子

会社名
コープデリ生活協同組合連合会
所在地
埼玉県さいたま市
事業内容
小売業
設立
1992年
従業員数
1,316名
(2019年度)
平均年齢
50.4歳/男女比 男性3:女性7
産業保健スタッフ
5名

コープデリ生活協同組合連合会は、1都7県の会員生協の組合員(500万人超)・消費者が暮らす地域社会での事業活動推進のために、宅配や店舗のチェーン運営を担う本部機能の役割を果たし、商品調達や物流、システム、人事など幅広い分野で共同化を進める生活協同組合の連合会組織です。 2019年度の両立支援の取組実績は39名。いきいきと働き続けられる事を大切に、産業医、人事部、総務部、上司が連携して1人ひとりに対する細やかなプランニングで復職支援を行っています。

コープデリは10年前から両立支援に力を入れ始め、現在では年間に何十人ものサポートをされているそうですが、具体的にはどのようなシステムで支援を行っているのでしょうか?

コープデリ生活協同組合連合会は、1都7県の生協の連合会組織で、中でも、コープみらいとは、一体運営を進めています。 10年前、旧ちばコープ・旧さいたまコープ・旧コープとうきょう(現コープみらい)各組織の制度統一に向けた整備により、両立支援の運用及び規程を統一し、コープみらい及びコープデリ連合会を対象として同制度を展開しています。
そもそも生協は「職員がいきいきと働き続けられる組織」を目指していますので、たとえ病気やケガになったり、育児や介護が必要になっても「どうしたら働き続けることができるか=How can」を考えて支援していきます。

両立支援の具体的な仕組みは、5つのステップに分かれます。



療養期→リハビリ期→復職準備期→職場復帰の決定→職場復帰となります。
まずは、本人が復職を希望し、主治医からの許可があることが前提です。
どのステップにおいても主治医からの情報提供依頼書を元に復職支援を行っていきます。この書類には、就労の可否、配慮事項などが書かれており、復職に向けた支援プランを作成するうえでも重要な資料となります。
1か月に1度、産業医、人事部、健康管理スタッフ(総務部)による復職判定会議が行われており、その中で情報提供依頼書を元にして、一人ひとりに合わせた復職のプランを検討していきます。
また、復職準備期には本人と健康管理スタッフが面談を行います。 総務部の健康管理スタッフは、看護師、産業カウンセラーなどの有資格者5名で構成されており、ケースによっては産業医のサポートを受けるなどし、復職可能と判断されると、健康管理スタッフから人事部にバトンが託され、実際の復職支援を開始します。

復職が可能となっても、就労制限等の制約がある場合もあるので、復職準備期(復職支援Ⅰ/通勤訓練や時短訓練など)を設定し、無理なく復職につなげていきます。 復職準備期においては、十分な体調・職能の回復を図り、概ね就労制限がなくなったところで、仮復職就労(復職支援Ⅱ)に移行します。 仮復職就労は、通常勤務を基本としていますが、過度の負担がかからないように、人事部長付(定員外・人件費付加なし)として配属し、支援を継続します。 また、復職支援中は、1人の対象職員に対して、人事部職員を1名選任し、配属先事業所長等とともに、支援を行います。 人事部職員は、配属先事業所長との情報共有や定期的な事業所訪問により状況を把握するとともに、本人との面談等を設定しながら、体調の変化等や訓練プランの進捗状況について確認していきます。



コープデリオリジナルの情報提供依頼書
丁寧なステップを経ての復職となるわけですが、もっとも気をつけていることは何でしょうか?

1人ひとりの状態に合わせたプランを作ることです。そのために人事部職員が担当を持ち、復職支援の開始から、定期的に配属先を訪問するなどし、本人の状況、上司の意見などを吸い上げて情報を共有しています。人事部職員1人が担当する支援対象者は平均5〜6名です。
ルールや制度も大切ですが、それに縛られて画一的な支援しかできないのはよくありませんし、制度があるから大丈夫ではなく、その制度の有効な使い方を職員に案内し、無理なく安心して復職を迎えられるよう、支援をしています。

休職時やリハビリ期、仮復職の期間の金銭的な補償などはあるのでしょうか?

有給休暇は半日単位で使用可能です。さらに積立有給休暇があります。積立有給休暇は、失効してしまう有給休暇を最大30日まで積み立てられる制度で、有給休暇をすべて消化してから使用可能となります。
治療期間中には貸付金制度があり、給与支給日にあわせて振り込み、傷病手当金の給付により返済していただきます。リハビリ訓練期間では、互助会、GLTD(団体長期障害所得補償保険)などからの見舞金制度を適用したり、リハビリ訓練生活見舞金(訓練時間により定額支給)を支給しています。

今後の課題等がありましたら教えてください

今回お話した両立支援制度は正規職員(総合職)を対象とした制度ですが、実際には、パート職員やアルバイト職員などに対しても産業医が年間400名ほどの面談をし、健康管理スタッフによるアドバイス等を行っています。 しかし、大切なのは、まずは病気にならないように、健康増進に力を入れ続け、早期発見・早期治療を目指していくことだと考えています。
「人に優しく、誇りがもてる組織」として職員1人ひとりと向き合い、健康に活き活きと働き続けられるように、そして両立支援を通じて自分が受けた支援を、同僚や組合員へと循環する“たすけあい”の精神につなげていけるよう頑張っていきたいと思います。

取組み事例一覧