厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組み事例

保健師の常駐で従業員の不安解消
職場と従業員の架け橋となり職場復帰を支援

ブリヂストンケミテック株式会社

総務部人事・労務課長
田中 弓子
総務部人事・労務課所属
健康支援室 保健師
好井 千鶴

会社名
ブリヂストンケミテック株式会社
所在地
三重県名張市
事業内容
製造業
設立
1971年9月1日
従業員数
561名
(2020年1月1日現在)
平均年齢
40代前半/男女比 男性8:女性2
産業保健スタッフ
1名

車のシート、ソファやベッドなどに使用されているポリウレタン素材を製造するブリヂストンケミテック。
2014年より両立支援の取組を始め、現在は本人、主治医、産業医、人事、常駐している保健師の連携で復職復帰と両立支援を実践しています。

ブリヂストンケミテックが両立支援に取り組まれたきっかけを教えてください

メンタル不調や体調不良への対応は、以前は明確にルール化されたものはありませんでした。2014年に親会社のブリヂストンから両立支援の制度である「体慣らし勤務制度」が展開され、そこから体制を整えてきました。
2017年には保健師が常駐する健康支援室を開設し、直通の電話・メールなどを設置し従業員が相談しやすい環境を整備しました。保健師は平日の10:00〜17:00まで常駐しており、プライバシーに配慮し個室で相談ができます。

実際の両立支援の流れはどのようなものでしょうか?

従業員が治療などで休みが必要とされる場合は主治医からの診断書を出してもらい、上司経由で健康支援室と人事と情報を共有します。
治療後、復帰ができそうな状態になると復職へ向けての支援をスタートさせます。
まずは本人、上司、健康支援室と人事で体調確認や本人の復職に対する意欲を確認します。
その後、主治医に復職にあたっての就労制限(交替勤務、運転、残業、重量物の取り扱いなどの細かな情報)について弊社フォーマットの「情報提供書」に記載いただき、 それを元に本人・上司・人事労務・保健師で面談を行い、本人の復職に対する姿勢や不安などをヒアリング、情報を整理し「職場復帰前面談表」に記入します。
その後、本人、産業医と保健師で面談を行い、具体的な職場復帰プログラムを決め「職場復帰前面談表」に産業医の面談所見と診断を追記し、上司に回し、関係者で何度も話し合いをしながら復職がスムーズに行われるよう支援しています。
また、体慣らし勤務として、短時間勤務、フレックスタイムなどの制度が用意されています。


健康支援室

業務上配慮に関する情報提供依頼書(フォーマット)

両立支援の具体的な例を教えてください

現場作業を担当する男性が、慢性心疾患、脳梗塞を発症し、復職した例です。
本人から上司に「復職可能」の診断書が提出されたのを受け、健康支援室で確認し、制限項目や会社としての配慮すべき内容について、主治医に当社フォーマット「情報提供書」に記載頂きました。 「症状は安定しており、体慣らし勤務制度を利用したうえでの職場復帰が適切である」との意見をいただき、又、「交替勤務・重量物取り扱い業務・残業不可」の制限も必要とのことでした。
その後本人に対し、上司、人事、健康支援室保健師がヒアリングを行い、仕事に対する意欲、復職に当たっての希望等を確認し、職場、人事ともに現行のルールの運用に照らし合わせた配慮の範囲を確認し、産業医面談につなげました。
産業医面談の結果、重量物を取り扱わず交替勤務のない職場へ配置替えが必要となり、「職場復帰面談表」に記載し、人事、上司を経由し、業務上の配慮の周知を行いました。
体慣らし勤務の期間(半日勤務制限)については、上司の見守り、保健師による定期的な面談を継続し、問題なく勤務できたため、産業医の判断のもと1日勤務へと移行しました。
今後も、異動先での適応を見守りつつ、上司からの情報、本人からの相談で状況に応じた対応ができるよう、チームで復職を支援していきたいと考えています。

もう一例は、うつ病を発症した社員の職場復帰についてです。復職面談時に保健師が面談した際休職前の状況を確認すると、「指示命令が具体的でない場合はどうしていいのかわからない」
「同僚とのコミュニケーションがうまくいかない」などで長い間困っていたとのことでした。主治医に「情報提供書」の発行をお願いしたところ、「発達に偏りがある」との診断でした。
見た目にはわからない特性で、考えや行動が理解されず長い間困っていたのです。 職場復帰にあたっては、管理・監督職や同僚の理解が必要不可欠で、労働局が養成している「精神・発達障害者しごとサポーター」の方に会社に講習に来ていただき、まずは監督職を対象に研修を行い、特性を理解し、わかりやすい指示の仕方やコミュニケーションの取り方を学びました。
又職場の理解を深めるため、本人の特性を中心にかかわり方を保健師から説明しました。
その後、保健師と定期的に面談を重ね、具体的な困りごとを聞き取り、解決のための工夫を一緒に考えたり、上司と情報を共有することによって、 業務をこなすことができるようになりました。今は安心して会社生活が送れているし、趣味や家事についても積極的に取り組めているとのことでした。
社員一人一人が、安心して会社生活が送れるようこれからもサポートしていきたいと思います。

今後の課題があったら教えてください

従業員が高齢化している中で、工場勤務の場合は復帰される方の作業を軽減する配置先がなかなか見つかりづらい状況にあります。適正に合った配置換えがスムーズに行くよう今後も検討したいと思います。
配置される人員が限られている中で、治療しながら就業する人とのワークシェアの方法は課題として捉えています。

取組み事例一覧