厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組み事例

気軽に相談できる環境づくりから 細やかな両立支援へ

大日本法令印刷株式会社

(写真左から)
総務部次長
田中 淳
総務課主任
手塚 文子
総務課 健康支援担当 保健師
藤澤 美和子

会社名
大日本法令印刷株式会社
所在地
長野県長野市
事業内容
印刷・製本業
設立
1941年
従業員数
230名
(2021年1月現在、子会社を含む)
平均年齢
43.6歳/男女比 男性3:女性2
産業保健スタッフ
3名

長野県で総合印刷業を営む大日本法令印刷。創業から100年を超える老舗で、古くから産業看護職を配置するなど、健康経営の意識が高い企業です。
「困ったときはお互いさま」の精神で、本人、主治医、産業医、看護職、上司、同僚が連携した両立支援に取り組んでいます。

大日本法令印刷では昭和30年代から看護職を配置し、従業員の健康に気を配っているそうですが、どのような経緯からでしょうか?

活版印刷が盛んだった頃は、鉛業務に従事する従業員が多く、健康被害の防止とともに、工場でのちょっとした擦り傷・切り傷などに看護職が対応していたのだと思います。
今はパソコン業務に従事する従業員が多くなり、メンタルヘルス不調者などに対応することが多くなってきています。また、がん罹患者などが入退院を繰り返すような事例も増加傾向にあります。
そのような中で、経営トップが「健康な社員が健康な会社をつくる」という姿勢を明確に打ち出し、がん対策(特に女性のがん検診推進)や従業員への健康支援活動を強化してきました。「予防と早期発見」「治療をしながら働き続けられる環境づくり」を目指しています。

具体的な両立支援については、どのように対応されていますか?

疾病などによる治療が必要となった場合、まずは診断書に基づいて対処します。入院や自宅療養等での休職に際しては、治療に専念してもらえるよう配慮します。
休職中は看護職が定期的に本人と連絡を取り、治療の状況や回復の様子などを確認します。情報は看護職が一元管理し、本人からの了承を得ながら上司にも情報共有を行います。
復職の見込みがたったら、主治医から『職場復帰支援に関する情報提供依頼書』を提出してもらい、就業の可否、配慮事項などを確認します。ときには弊社の看護職が主治医を訪問し、本人同席のもと直接お話を伺う場合もあります。


原則として、復職前にはリハビリ勤務を行います。リハビリ勤務の条件は、本人に働く意思のあること、主治医からの就業許可が出ていること、そして1日5時間程度は働けるくらいに体調が回復していることです。
リハビリ勤務に際しては、看護職が本人からじっくりと復職についての希望などを汲み取った上で、進めていきます。まずは産業医との面談を行い、回復状況への客観的な評価を得るとともに、働き方や配慮事項を確認します。 その後、その情報を踏まえて上司と看護職が具体的なプランを作成し、産業医の確認を経て、本人へ説明するミーティングを行います。
リハビリ勤務中は本人に日々の様子(体調など)を記録してもらい、1週間に1度は看護職・上司と面談をし、体力や気力は保てているか、きちんと出勤できているか、作業が滞りなくできているかなどを確認し、復職までを支援します。


オリジナルのリハビリ勤務報告書で、復職時の体調をしっかりチェック

看護職を中心に、関係者が連携して復職を支援します。

両立支援に使用できる制度や取り組みを教えてください

まず、従業員が健康に関して何でも相談できるよう、社内外の相談窓口を設けています。 社内窓口は看護職となりますが、メール・電話のほか、プライバシーを確保して面談できる医務室もあり、就業時間中いつでも利用することが可能です。本人のことはもちろん、家族の健康に関する相談も多くあります。
勤務制度としては、フレックスタイム制や在宅勤務の活用を進めています。各種の休暇は全て半日以下の単位で取得可能としていますが、さらに弊社の特徴的な制度として、病気治療を目的とした通院を1日1回2時間まで有給とする「有給通院制度」があり、従業員に好評です。 これは普通の年次有給休暇から2時間分消化するものではなく、2時間以内なら就業時間中に通院しても勤務時間とみなす制度です。ちなみに受診を促進する目的から、女性のがん検診にも利用可能としています。
また、失効する年次有給休暇を90日まで積み立てられる「失効年休積立制度」を平成30年からスタートさせました。これは私傷病で年次有給休暇が残り少なくなった場合や家族の介護に使える有給休暇で、いざという時の保険になります。

その他、両立支援をする上で心掛けていることはありますか?

従業員が健康に関して困ったことがあったときに、まずは気軽に相談してもらえる環境づくりです。看護職、上司だけでなく、職場の誰に相談があってもサポートの輪を広げられる、「困ったときはお互いさま」の組織風土醸成を目指しています。 具体的な支援においては、個別にニーズも異なりますので、あまりルールに縛られず、個々の状況に応じて柔軟に対応することが大切だと考えています。
看護職は、普段から従業員一人ひとりに目を配り、表情や行動、周囲からの情報を常に気にかけ、早期の段階でニーズをキャッチできるよう心掛けています。

取組み事例一覧