厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組事例

いつでも相談を受け付ける環境を構築し、
産業医との連携で職場復帰を支援

三洋工機株式会社

会社名
三洋工機株式会社
所在地
鹿児島県鹿児島市
事業内容
建設業・製造業
設立
1946年2月
従業員数
135名(2021年12月現在)
平均年齢
39歳/男女比 男性9:女性1
産業保健スタッフ
2名

鹿児島市で発電設備工事、エネルギープラント工事などを行う三洋工機株式会社。傷病などを抱える従業員の相談窓口を設置し、全治後または治療しながらの職場復帰を支援しています。

何がきっかけで治療と仕事の両立支援に取り組まれたのでしょうか?

一貫して続けてきた「社員に寄り添った経営」をさらに一歩進め、SDGsやESG経営など価値基準の変化への対応や、働き方改革やアフターコロナ・ウィズコロナにおける経済活動など急激かつ急速な変化に対して、社員が長く安心して働き続けれられる会社を具現化するために2017年から本格的に取り組んだのが「仕事と治療の両立支援」と「健康経営」でした。

具体的な両立支援の仕組みや支援制度をお聞かせください。

相談窓口の設置に関して
上司や役員及び安全衛生委員会の各委員が常に門戸を開き、社員からの相談をいつでもどこでも受け付ける環境を構築し、安全衛生委員会で集約し役員に上程しています。また、安全衛生委員会などで定期健康診断結果の集約を行い、再検査と治療に係る情報を共有し、さらにそれら情報を産業医と共有する仕組みと相まって、両立支援の相談から対応や対策まで円滑かつ迅速に実行できています。

両立しやすい休暇制度・勤務制度に関して
年次有給休暇を含め、時間単位で取得可能な休暇制度を採用しています。また「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」を参考にしながら、特定の症例を想定し作成されたルールや手順で対応するのではなく、案件毎に症例・治療内容に応じカスタマイズしたルールの構築により、可能な限りの両立支援をオーダーメイドで実施しています。

その他の制度に関して
定期健康診断の情報は、産業医と保険者および会社と本人で共有しています。また定期健康診断の結果において、再検査を指示された社員は定期健康診断委託先(産業医)と会社で実施及び結果をフォローし再検査未受診者をゼロとしています。また、経過観察を指示された対象者には、安全衛生委員会が追跡し同じく医療機関未受診者をゼロとしており、結果は全て産業医と情報共有をしています。このことは早期発見・早期治療に大きく寄与していると思われます。
定期健康診断では受診者(社員)には特別休暇を付与し、多様な検査項目を選択できるメニューを提供することで、個々が望む検査を自由に受けることが出来るようにしています。早期発見と早期治療に結びついたケースが成功事例となり、オプション検査を希望する社員は増えております。


社外資源は活用されていますか?

保険者や国県市の健康関連部局等と良好な関係を構築しており、情報提供にとどまらず研修・指導や個別相談など多様な支援を受けています。 保険各社が提供する共済制度にも加入し、情報提供や保証内容等の説明会の開催や個別相談も実施しています。
全社員研修の場を利用し、先端医療の研究者の講話やプロのインストラクターによる腰痛予防の実技指導など、企画し実践をしています。

今後の展望・課題をお聞かせください。

弊社では多くの社員が「仕事と治療の両立」にチャレンジし職場に復帰しています。職場への復帰は過酷な治療に対峙するための大きなモチベーションになっていると思われ、職場に復帰した社員を受け入れ・支援する土壌があるので、それらを会社風土として醸成していきたいと考えています。
また潜在的なリスクとして、メンタル面を起点とする疾患が今後増加することを危惧しており、早期に発見し重症化リスクを軽減する取組が必要と考えています。
飲食や睡眠の質など「仕事におけるベストなパフォーマンスを発揮するための健康作り」に関する情報提供を開始しました。健康な生活を営むための数多ある目的の一つに「仕事が出来ること」を加える取組を定着させたいと考えています。
制度としてGLTD(団体長期障害所得補償保険)を有していますが、認知率並び加入率が低いため、制度の見直しや全員加入型への移行等を検討しています。

取組事例一覧