厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組事例

社員が安全かつ快適な職場環境で安心して職務に専念できるよう、全社を挙げて健康経営を推進

株式会社熊平製作所

経営管理部 人事グループ 医務室 山口 美穂子 氏

会社名
株式会社熊平製作所
所在地
広島市南区宇品東2-1-42
事業内容
セキュリティシステム機器の開発・生産
設立
明治31年1月
従業員数
483名(2022年4月現在)
平均年齢
42.6歳 /男女比 男性9.3:女性0.7
産業保健スタッフ
1名

120年を超える歴史を誇るトータルセキュリティ企業です。クマヒラグループは販売・サービスを担う「クマヒラ」と製品の開発・製造を担う「熊平製作所」を中心に構成され、「熊平製作所」はISO9001認証工場で徹底した品質管理のもと、最先端技術を駆使した製品を製造しています。
これからも時代のニーズに応え続けるトータルセキュリティ企業として成長を続け、広く社会の安全・安心に尽くしてまいります。
治療と仕事の両立支援においては、「健康経営宣言」を行い、社員一人ひとりが心身ともに健全で、能力を最大限発揮できる仕組みと職場環境づくりに取り組んでいます。

治療と仕事の両立支援に取り組んだきっかけをお聞かせください。

以前から病気療養となった社員には本人の体調にあわせて配慮した働き方を本人と相談しながら行っていました。しかし近年がんなどの身体疾患をはじめメンタルヘルス不調による休業者への対応も増える一方、明確にルール化されたものはありませんでした。そこで職場復帰支援プログラムを作成し、産業医、社内保健師が本人の職場復帰がスムーズにできるよう体調を考慮しながら進める体制を整えようと思いました。

貴事業場において、従業員の両立支援に取り組む基本的な考え方や基本的な方針を示したものがあればお聞かせください。

■健康経営宣言
株式会社熊平製作所は、「社員一人ひとりの健康は経営の基盤であり、企業活力の源泉である」との考えに基づき、社員が安全かつ快適な職場環境で安心して職務に専念できるよう全社を挙げて健康経営を推進してまいります。

両立支援を行うための仕組みや支援者・支援制度をお聞かせください。

〈相談窓口の設置〉
医務室に社内保健師が勤務しており、社員の健康管理・健康相談などを実施しています。

〈休暇制度〉
有給休暇の残日数がなくなった際、病気等によりさらに休暇が必要な社員については、過去3年間に消滅した有給休暇を復活させる制度を設け、利用できるようにしています。

〈勤務制度〉
コロナ下で通勤に不安のある闘病中の社員に対し、テレワークを認めています。
間接部門の社員にはフレックスタイム制度を導入しています。コアタイムを設けていないため、柔軟な働き方が可能です。また、時差出勤制度・短時間勤務制度なども整備しています。

〈支援の申し出があった場合の対応手順〉
診断書の内容を参考に、本人、産業医、社内保健師、上司、人事担当者らが話し合って勤務日程等を決めていきます。勤務日程等は状態に応じて随時見直しをしていきます。

〈個人情報の保護〉
プライバシーマークを取得しており、個人情報保護規定を設け、健康情報等の個人情報保護を図っています。

貴事業場の仕事と治療の両立支援の具体的事例(実例・実績)をお聞かせください。

がんの診断を受けたと医務室に相談があり、仕事と治療の両立支援を開始しました。治療を優先に休職後、主治医より職場復帰の許可が出たため、本人、産業医、社内保健師、上司、人事GR長で診断書の内容を確認しました。仕事上留意することを優先すると現職場は難しいと判断し、本人の身体的状況や意向を考慮して配置換えを行うこととなりました。社内保健師による定期的な状況確認を受け、本人は身体的、精神的に安定して業務に取り組むことができるようになりました。

社外資源の活用状況(産業保健総合支援センターやキャリアコンサルタントの活用、GLTD導入等)についてお聞かせください。

産業保健総合支援センターの研修やセミナーに参加し、両立支援コーディネータ―の研修を受講・修了しています。また、両立支援が困難な時には、本人に許可を得て社内保健師が主治医の診察に同行する場合もあります。また困難な事案の場合は産業保健総合支援センターや障害者職業センターに相談することもあります。

その他特記事項(研修等による意識啓発・労使の協力等)がございましたらお聞かせください。

生活習慣病の発生予防・重症化予防の取組として、「効果的な睡眠」など健康増進に関する有益な情報発信や、 「社内健康体操教室」、「がん対策セミナー」などの健康増進イベントを開催しています。

今後の展望・課題をお聞かせください。

病気があっても休まずに自分のペースで働けるようサポートをしていきます。

取組事例一覧