厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組事例

「全員正社員、終身雇用」の方針のもと、従業員によりそった両立支援に取り組む

大分電子工業株式会社 三重工場

三重工場 技術品質統括(兼)三重工場長 加藤 誠 氏

会社名
大分電子工業株式会社 三重工場
所在地
大分県豊後大野市三重町芦刈225番地
事業内容
製造業・半導体後工程加工請負業
設立
1970年2月
従業員数
81名(2022年11月現在)
平均年齢
49歳 /男女比 男性5.9:女性4.1
産業保健スタッフ
1名

半導体後工程工場として1970年に創業し、今年で52年間、半導体後工程工場を営んでいます。モットーは「明るく、楽しく、元気よく」で、「明るく」とは【前向きに】、「楽しく」は【主体的に】、「元気よく」は【スピーディーに】の意味であり、社員1人1人が個々の仕事を「明るく、楽しく、元気よく」取組むことで、品質・コスト・納期・サービスで世界No.1の半導体製造後工程工場を目指しています。両立支援においても「体・心に不自由を抱える従業員に対し配慮を行う」 との方針に基づき取り組んでいます。 健康経営宣言」を策定しました。

治療と仕事の両立支援に取り組んだきっかけをお聞かせください。

労働者からの要望を経営者が受け、両立支援に取り組みました。
経営者および工場長は毎日工場内を巡視し従業員への声掛けを行う事で従業員の心身の状況変化に気づく様に心がけると共に、各工程の管理者の毎日の引継ぎ会に出席し従業員の要望の把握に努めています。また、工場の組織は階層を少なくしており従業員の声がなるべく直接、工場長に届くようにしています。

貴事業場において、従業員の両立支援に取り組む基本的な考え方や基本的な方針を示したものがあればお聞かせください。

経営理念として「大分電子工業株式会社は、一生懸命働く事を通して全社員の物心両面の幸せを追及し、関連する法令規制要求事項を遵守するとともにお客様と社会に貢献する事を通じて世界No.1の半導体後工程製造工場を目指します」を掲げ安全衛生方針を策定しています。その方針の中で、 「方針4.体・心に不自由を抱える従業員に対し配慮を行う」項目を入れ、従業員の両立支援に取り組む基本的な方針としています。

両立支援を行うための仕組みや支援者・支援制度をお聞かせください。

安全衛生方針を1回/年の頻度で従業員に周知しています。その際、窓口は工場長とすることを伝えており、従業員から連絡があった内容が工場長から経営者に伝達され、交替勤務から日勤への変更や半日勤務に変更するなど、休暇制度、勤務制度に反映されています。

〈相談窓口〉
工場長を窓口としています。作業者からの情報は、工場内の工程別責任者に連絡が入り、その後、工場長、総務担当、衛生管理者へ連絡が行われる仕組みを導入しています。

〈休暇制度〉
年次有給休暇は、半日単位で取得可能としています。また、傷病休暇・病気休暇制度があり、実際に従業員の方が活用されています。

〈勤務制度〉
時差出勤制度を実施しています。また、ご自宅の事故で半身不随となられた方は、AM8:00~12:00までの短時間勤務制度で働いています。

〈個人情報の保護〉
労働者の健康情報については、工場長、衛生責任者に限定した運営を実施しています。

貴事業場の仕事と治療の両立支援の具体的事例(実例・実績)をお聞かせください。

■具体例1
うつ病発症当初、投薬の副作用により朝起きれないとのことであったので、交替勤務(7:00~15:00の早番、14:00~22:00の遅番)から遅番勤務のみへ勤務変更しました。その結果、気持ちに余裕を持てるようになり人との会話が増え、かつ、その間、医師と投薬の種類などについての会話も十分にできたことから投薬治療が順調に進み、今現在は日勤のみへ勤務変更しデスクワーク に重きを置いた勤務に従事しています。
■具体例2
ご自宅で木から落下し半身不随となられた方の勤務時間を交替勤務から 日勤に変更し、更に長時間の座り作業は無理とのことで、8:00~12:00までの半日勤務としました。

社外資源の活用状況(産業保健総合支援センターやキャリアコンサルタントの活用、GLTD導入等)についてお聞かせください。

定期健康診断、及び、定期ストレスチェックを実施しています。ストレスチェックについては 一般財団法人西日本産業衛生会 大分労働衛生管理センター様から実施の連絡、結果の連絡、及び担当の方からアドバイスをいただいています。

その他特記事項(研修等による意識啓発・労使の協力等)がございましたらお聞かせください。

〈意識啓発〉
安全衛生方針を策定後、昼の引継ぎ会議で安全衛生方針を管理職に周知し、管理職から各工程の作業者へ周知しています。管理職への周知の際は、安全衛生方針の文書をプロジェクターで投影し、個々の内容について口頭で説明を行い、作業者への周知は、安全衛生方針の文書を見せ、個々の内容について口頭で説明を行い周知しています。

〈労使等の協力〉
1回/月に実施される安全衛生委員会には労使、衛生管理者が出席して連携しています。

〈その他特記事項〉
ここ最近、コロナの感染が多くなっています。弊社従業員のご家族が感染されて、従業員が濃厚接触者になるケースと従業員ご自身が感染されるケースが出てきました。弊社では濃厚接触者の場合、及び、感染者の場合と2種類の対応を設けています。
・濃厚接触者の場合:自宅待機期間5日間とし、その期間を指示休(70%支給)または有給扱いとしています。
・感染者の場合:自宅待機期間10日間とし、その期間中、3日間を指示休(70%支給)又は有給扱い残り7日間を公休扱い(68%支給)としています。

今後の展望・課題をお聞かせください。

全員正社員、終身雇用の方針のもと、大家族主義で全社運営を行っていきます。忙しい時は残業・臨出、暇な時は一時帰休(週休3日等)を行うことにより、仕事の繁閑がつきものの半導体製造業で生き残っていきたいと思います。

取組事例一覧