Home > 両立支援シンポジウム/セミナー > 秋田

秋田 治療と仕事の両立支援セミナー開催レポート

<開催日時>
2019年11月6日(水)
13:30 - 15:50

<場所>
秋田テルサ

<主催>
厚生労働省

<共催>
秋田県 労働基準局

プログラム

時間 講義内容
13:30 〜 13:35 開会挨拶
秋田労働局局長 甲斐三照
13:35 〜 14:20 基調講演
株式会社フジクラ健康社会研究所 代表取締役CEO 浅野健一郎氏
14:20 〜 14:30 休憩
14:30 〜 14:50 企業取組事例紹介①
株式会社和賀組 総務課長 近藤真紀子氏
14:50 〜 15:10 企業取組事例紹介②
株式会社フィデア情報総研 総務担当理事 近藤定義氏
15:10 〜 15:30 医療機関取組事例紹介
国立大学法人秋田大学医学部附属病院 地域医療患者支援センター・
がん相談支援センター 主任医療ソーシャルワーカー 金子幸太氏
15:30 〜 15:40 産業保健総合支援センターからのご案内
独立行政法人労働者健康安全機構 秋田産業保健総合支援センター
産業保健専門職 和田桐子氏
15:40 〜 15:50 総括
株式会社フジクラ健康社会研究所 代表取締役CEO 浅野健一郎氏


基調講演


「治療と仕事の両立とは何か? 健康経営の中の働き方改革の視点から」

株式会社フジクラ健康社会研究所 代表取締役CEO 浅野健一郎氏

 浅野氏は健康経営について「自社の経営課題の解決や経営理念の実現のために、社員の健康を戦略的にサポートする経営活動の一手法である」「そもそも健康とは肉体的・精神的・社会的に満たされた状態のことを指し、社会的に満たされることが健康の必要条件であることから、フジクラでは個人が活き活きと仕事ができる環境づくりに努めている」とした。両立支援では「本人が働きたい」「会社が働いてほしい」という互いの意思の一致が大前提の上、病気という性質上、医療専門職の関与も必須である。そこをクリアできれば働く環境の選択肢はすでに社内にあるので、支援はできるところから、いつでも始められる。しかしながら社内で両立支援に取り組んでいることが知られている必要があるため、まずは社内の広報に努めることが第一歩であると締めくくった。


各企業・医療機関の取り組み


「従業員は会社の財産」

株式会社和賀組 総務課長 近藤真紀子氏

 1877年創業の総合建設会社である同社は、従業員は会社の財産であるとの考えから、健康経営や両立支援に取り組んでいる。健康診断の受診体制の見直しや二次検診受診の義務化・徹底を就業規則に盛り込み、2018年度の二次検診受診率は100%を達成し病気の早期発見に努める。治療が必要な社員への両立支援の体制については、本社・機材センター・営業所の各所に相談窓口を設け、治療開始の前後できめ細かな対応を行う。長期療養が必要な方には半日単位の有給休暇取得や職場復帰サポートなどがある他、長期休業補償保険などの保険も会社負担で加入。現在は時間単位の有給休暇取得も検討している。「社長の『社員は会社の財産』という言葉へのお返しは、社員一人一人が健康に、明るく、朗らかに働くこと。もし病気になっても早期に対処する、それが私たち一人一人の責任」と、全社一体の意識の高さを感じさせた。


「社員への治療と仕事の両立支援の事例について」

株式会社フィデア情報総研 総務担当理事 近藤定義氏

 システム開発・受託を行う同社では、両立支援をがん等の病気とうつ病等の精神疾患の2つに大きく分け、実際の支援についてそれぞれ事例を交えながら紹介した。がん等の病気との両立支援については、相談窓口を総務部人事担当に設置し、治療により休職が必要になった場合には本人への声掛けはもちろん、担当部署の上司に状況を説明し、勤務体制の配慮や同僚にも誤解や不安を与えないような対応を依頼して対応。復職の際はリハビリを経験して復帰する体制をとっている。近藤氏は「社員は会社の財産と考え、社員や会社が共に幸せになるためにはどうすべきかを今後も考えながら両立支援を継続していきたい」と締めくくった。


「秋田大学病院の両立支援に関する取り組み」

国立大学法人秋田大学医学部附属病院 地域医療患者支援センター・がん相談支援センター 社会福祉士 金子幸太氏

 がん診療連携拠点病院である同院の地域医療患者支援センター・がん相談支援センターで取り組まれている両立支援について事例を踏まえながら報告した。金子氏は、同院での相談対応の経験から、両立支援に関する普及啓発や支援側の知識と経験が不十分としながらも、患者の個別性と具体性を兼ね備えた情報提供と共有が必要であり、病院と企業が連携しやすくなるよう、病院は企業や労働者自身への疾病理解を促進するなどのサポートを行っていきたい。困ったことがあればぜひ相談してほしいと締めくくった。


「産業保健センターご利用の勧め」

秋田産業保健総合支援センター 和田桐子氏

 産業保健総合支援センターでは、両立支援促進員が事業場を訪問し、両立支援制度の導入支援や患者本人・事業場間の調整支援を行っており、事業場の規模に関わらず無料で相談に応じている。特に事業場への個別訪問支援では、制度などの環境整備への助言の他、研修などを通じた啓発を行うことで職場風土の醸成にも協力できるとし、困りごとがあればまずは相談して欲しいと参加者へ呼び掛けた。



セミナー総括

 最後に基調講演で登壇した浅野氏がセミナーを総括。この日の事例が「いずれも企業として両立支援の実施についてきちんと従業員に周知している点が共通している」と評価し、こうしたことはどの会社にでも起こり得ると参加者全員に呼び掛けた。そのため企業は、患者本人のみならず、その所属部門、産業医、外部の医療機関、コーディネーターなどとしっかりコミュニケーションを取りながら、独自の施策で解決を目指すことが必要と述べ、最後に「自分たちにできることは何かを1つずつ考えていけば、5年後、10年後に素晴らしい会社へ変わっていくはずです」と、両立支援に取り組もうとする企業にエールを送った。

(左から)株式会社フジクラ健康社会研究所 代表取締役CEO 浅野健一郎氏、株式会社フィデア情報総研 総務担当理事 近藤定義氏、国立大学法人秋田大学医学部附属病院 地域医療患者支援センター・がん相談支援センター 社会福祉士 金子幸太氏、株式会社和賀組 総務課長 近藤真紀子氏、秋田産業保健総合支援センター 和田桐子氏
©Ministry of Health, Labour and Welfare