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三重 治療と仕事の両立支援セミナー開催レポート

<開催日時>
2019年7月25日(木)
13:30 - 16:10

<場所>
三重県総合文化センター 小ホール

<主催>
厚生労働省

<共催>
三重県 労働基準局

プログラム

当日は、岡原伸太郎氏の基調講演の後、各社がそれぞれ取り組み事例をご紹介。最後は、担当者によるパネルディスカッションにて議論を深めました。
時間 講義内容
13:30 〜 13:40 開会「主催者挨拶」
三重県労働局局長 下角圭司
13:40 〜 14:20 基調講演「治療と仕事の両立支援の進め方」
ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ Global Health Services/健康管理室 統括産業医 岡原伸太郎氏
14:20 〜 14:40 休憩
14:40 〜 14:45 座長のご挨拶
三重県産業医会会長・シャープ株式会社三重事務所産業医 酒井秀精氏
14:45 〜 15:35 事例紹介「各企業・医療機関の取り組み」
ご登壇者:
 株式会社東産業 専務取締役 秋田貴彦氏
 株式会社宝輪 管理本部 主任・健康委員長 山﨑順菜氏
 株式会社宝輪 管理本部 健康委員 木村和子氏
 特定非営利法人 日本キャリア開発協会 鈴木直子氏
 三重大学付属病院医療福祉支援センター 堀口美穂氏
 三重産業保健総合支援センター 副所長 西村元氏
15:35 〜 16:05
パネルディスカッション
「明日から始める治療と仕事の両立支援」


16:05 〜 16:10 総括
ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ Global Health Services/健康管理室 統括産業医 岡原伸太郎氏


基調講演


「治療と仕事の両立支援の進め方」

ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ Global Health Services/健康管理室 統括産業医 岡原伸太郎氏

 突然大きな怪我や疾病に見舞われると、十分な情報が得られないまま仕事や家庭のことなど不安ばかりが頭をよぎり、どうしてよいのか分からずに仕事を辞めてしまうケースは少なくない。岡原氏は「一人で悩むのではなく、『まずは相談』を企業の基本的な文化にしてほしい」と呼び掛ける。その上で「従業員、会社、主治医や医療機関という3者間の情報共有が必須」と当事者である従業員を孤立させない体制の重要さを説く。さらに、情報共有において「当事者と関係者が要望(Want)とすべきこと(Should)、そして今できること(Can)をすり合わせ、互いに納得の上で進めることが大切」とした。また最後に、「制度を整えることはもちろん必要です。ただ、制度は万能ではなく、公正性と柔軟性の間に矛盾を生じることもあります。それを関係者がいかにすり合わせるかが重要です」と、両立支援にはフレキシブルな対応が欠かせないことを改めて説明した。


各企業・医療機関の取り組み

 「三重産業医会 会長」兼「シャープ株式会社 三重事業所産業医」の酒井秀精氏がファシリテーターを務め、三重県域で進む両立支援に資する活動や連携についてのパネルディスカッションが行われた。

「株式会社宝輪の取り組みについて」

株式会社宝輪(ほうわ)管理本部 主任・健康委員長 山﨑順菜氏
管理本部 健康委員 木村和子氏

 貨物自動車運送事業、不動産賃貸事業などを営む同社は、「本人の意思を尊重する」ことを大切にした治療と仕事の両立支援を実施。例えば相談は健康委員が担当し、病気が分かった時には今後について本人と一緒に考え、本人が望めば他の従業員に欠勤のことを詮索させないような配慮を行うなど、職場に戻りやすい環境づくりをサポートしている。社長・役員・管理職には健康やメンタルヘルス対策に関する勉強会を実施して理解促進を図っている他、健康診断、脳ドックなど病気の早期発見対策にも力を注いでいる。 山﨑氏は「あくまでも病気になった本人の意思を尊重することが“第一”。従業員とご家族に健康であり続けてもらうことが、会社自体の健康と発展、そして存続につながる」と締めくくった。


「治療と仕事の両立支援の取り組み」

株式会社東(あずま)産業 専務取締役 秋田貴彦氏

 排水施設・上下水道・浄化槽などの維持管理や一般住宅の水回りメンテンナンスを行う同社では、復職プログラムやお試し出勤制度、準社員という身分をつくるなど、施策の整備を進めている。その他、心身共に健康で働ける環境づくりのため、業務時間管理の仕組み構築や、法定健診以上の定期健診や各種予防接種の会社負担も行う。秋田氏は「治療と仕事の両立支援に関しては平時からの備えが大切。これからも社員の声を聞き漏らすことなく、よりよい職場環境づくりに取り組んでいきたい」と発表を終えた。


「治療と仕事の両立支援~キャリアコンサルタントの関わり~」

特定非営利法人 日本キャリア開発協会(JCDA)鈴木直子氏

 キャリアコンサルタントとは、個々人の適性や経験に応じた働き方を支援する専門家であり、治療と仕事の両立に関しては、治療開始前、治療中、仕事復帰時、復帰後のどの段階においても支援が可能であると説明。相談対応の実例も挙げながら、キャリアコンサルタントができる支援についての発表が行われ、協会が実施する無料電話相談についても紹介した。


「病院での取り組み~そのひとらしさを支えるために~」

三重大学医学部附属病院 緩和ケアセンター がん看護専門看護師 堀口美穂氏

 がんに罹患した患者さんの困りごとは多岐にわたり、症状や治療による副作用など、仕事に影響を及ぼすこともあることや、本人の心理・心情といった気持ちの面の理解も大切であると説明。センターでは、患者の受診から退院後までの問題解決・調整・援助を実施する他、社会保険労務士・就労支援ナビゲーター・両立支援促進員による出張相談もあり、それらも活用しながら、本人やその周りの人も含めて全面的にサポートしている。また「通院歴にかかわらず誰でも、がん以外の疾患についても相談対応ができるため、お困りの際はまず相談に来ていただきたい」と呼び掛けた。


「三重産業保健総合支援センターの事業」

三重産業保健総合支援センター 副所長 西村元氏

 センターでは事業場の規模に関わらず治療と仕事の両立支援に関する支援(両立支援促進員による窓口相談、個別訪問支援、個別調整支援、事業者啓発セミナーなど)を無料で実施していることを実際の支援事例も交えながら紹介。「ホームページなどで情報提供も行っているので、ぜひ企業の皆様、労働者の皆様に広く活用いただきたい」と締めくくった。


パネルディスカッション

 各社による取り組み発表の後は、岡原伸太郎氏を交えて「明日から始める治療と仕事の両立支援」をテーマとしたパネルディスカッションを実施。登壇者からは「両立支援は難しいことではなく、すでにみなさんの会社でも実践していることもある」ことや、「無料で相談できる機関がたくさんある」ことを改めて強調、会社では、困ったら誰かに相談できることや、相談できる雰囲気をつくっていくことが大事であり、できることから始めて欲しいと来場者に訴えた。

(後列左から)三重県労働局局長・下角圭司氏、三重産業医会 会長/シャープ株式会社 三重事業所産業医 酒井秀精氏、株式会社東(あずま)産業 専務取締役・秋田貴彦氏、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ Global Health Services/健康管理室 統括産業医・岡原伸太郎氏、三重産業保健総合支援センター副所長・西村元氏、(前列左より)株式会社宝輪(ほうわ)管理本部健康委員・木村和子氏、同部主任 健康委員長・山﨑順菜氏、特定非営利法人日本キャリア開発協会(JCDA)・鈴木直子氏、公益社団法人 日本医療社会福祉協会/国立大学法人三重大学附属病院医療福祉支援センター・堀口美穂氏
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