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長崎 治療と仕事の両立支援セミナー開催レポート


<開催日時>2019年11月21日(木)13:30 - 15:50
<場所>長崎県美術館 2階ホール
<主催>厚生労働省/長崎労働局

プログラム

時間 講義内容
13:30 〜 13:35 開会挨拶
長崎労働局長 金成真一
13:35 〜 14:20 基調講演
サッポロビール株式会社 人事部 プランニング・ディレクター 村本高史氏
14:20 〜 14:30 休憩
14:30 〜 14:50 企業取組事例紹介①
株式会社三基 取締役副社長 山口希氏
14:50 〜 15:10 企業取組事例紹介②
長崎船舶装備株式会社 保健師 田中かおり氏
15:10 〜 15:30 医療機関取組事例紹介
長崎大学病院 地域医療連携センター 川崎浩二氏
15:30 〜 15:50 産業保健総合支援センターからのご案内
長崎産業保健総合支援センター 山下美和子氏


基調講演


「治療と仕事の両立支援に向けて~がんサバイバーの実体験や企業事例を交えて~」

サッポロビール株式会社 人事部 プランニング・ディレクター 村本高史氏
 村本氏は2009年春、頸部食道がんを発症。放射線治療により寛解したが2年後に再発。手術で食道上部の再建とともに、声帯を含む喉頭を全摘出したが、その後食道発声法を習得し、声を取り戻した。現在はその経験も踏まえ、同社の「治療と仕事の両立支援」に取り組んでいる。村本氏は、どんな企業でも自社の持ち味を活かしたやりようが必ずある!とし、治療と仕事の両立支援を進める際のポイントとして「本人との対話を大切にすること」「経営者の理解・応援・率先」「周囲の社員への配慮も忘れないこと」を踏まえながら、率直な対話と信頼関係で「社員の使命感を活かす」ことが大切であるとした。

各企業・医療機関の取り組み


「病気と仕事」

株式会社三基 取締役副社長 山口希氏
 総合建設業の同社では50〜60代が社員の半分を構成。今後さらに増えると予測し、両立支援の体制整備を積極的に進めている。具体的な取り組みとしては「有給休暇取得制度の緩和」(半日有給休暇・積立有給休暇の導入等)を紹介。半日単位の休暇制度によって病気の治療時にも働きながら通院しやすくなった他、休暇申請を紙ベースではなくグループウェア上で行えるようにしたという。また「面談システムの確立」では、担当部門・人事部門による当事者(患者本人)へのヒアリングを強化。治療前後の療養時・職場復帰時には役員も交えて協議する。両立支援を実行可能な取り組みとするためには、役員の参画が有効であることがうかがえた。

「当社における治療と仕事の両立支援について」

長崎船舶装備株式会社 保健師 田中かおり氏
 もともと「病気はお互い様」として社内でサポートしあう風土があった同社。過去がんになった社員へさまざまな配慮を行っていたにも関わらず、体調を崩してしまった経験から「社員本人と現場の不安を解消し、かつ安全配慮義務を徹底するためには、休業中から復帰後まで、より細やかなサポートを行う必要がある」ことや「治療の状況把握や、就業に関する医学的見地からの助言・情報も必要である」ことに気付き、保健師は主治医・産業医・上司ら関係者間の調整役を担っていると紹介。両立支援を考える際には「社員の生命、身体の安全確保が第一だが、主治医を含む医療機関スタッフや産業医との連携や両立支援を受ける社員をサポートする周囲の社員も大切にしている」と多くの事例を見てきた実感を語った。

「長崎大学病院における両立支援の取り組み」

長崎大学病院 地域医療連携センター 川崎浩二氏
 がん診療センターを設置する同院では、主治医、がん相談支援室(両立支援コーディネーター)、職場(人事担当部門・産業医)、産業保健総合支援センターと連携を図りながら、がん患者に対する両立支援を行っていることを実例も踏まえながら説明。平成30年度の相談総件数は645件で、このうち36件が両立支援、45件は就労支援(退職後の就職支援)に関する相談だったという。川崎氏はこうしたデータも踏まえ、両立支援の認知が低いことを指摘。患者に向け、入院時にチラシを配布する、主治医からがん相談支援室を紹介してもらうなど院内での普及啓発を行う。最後に「事業所からの相談も受け付けているのでぜひ活用して欲しい」と締めくくった。

「長崎産業保健総合支援センター 治療と仕事の両立支援事業」

長崎産業保健総合支援センター 山下美和子氏
 長崎産業保健総合支援センターでは、両立支援に関する取り組みとして、個別訪問支援(事業場・病院等で両立支援の取り組みを助言・支援)、個別調整支援(事業場での両立支援プラン作成を助言・支援)を事業場の規模にかかわらず無料で実施している。平成30年度・31年度(10月末現在)にはそれぞれ40件前後の個別訪問支援に対応。事業所・患者の間で両立支援が認知されていないというアンケート調査を受け、今後は両立支援相談窓口の新設(長崎市内医療機関に令和2年中に開設)、個別訪問支援活動の強化(担当者との顔の見える関係づくり)などに取り組むことが発表された。
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