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山梨 治療と仕事の両立支援セミナー開催レポート

<開催日時>
2020年1月23日(木)
13:30 - 15:40

<場所>
ベルクラシック甲府/ヴィクトリア

<主催>
厚生労働省

<共催>
山梨県 労働基準局

プログラム

時間 講義内容
13:30 〜 13:40 開会挨拶
山梨労働局局長 藤本達夫
13:40 〜 14:20 基調講演
サッポロビール株式会社 人事部
プランニング・ディレクター 村本高史氏
14:20 〜 14:30 休憩
14:30 〜 14:50 企業取組事例紹介①
キヤノンファインテックニスカ株式会社 増穂事業所
経営管理センター 管理部 神坐修氏
14:50 〜 15:10 企業取組事例紹介②
ファナック株式会社 経営統括本部 人事本部
労務部 労務課長 松尾祥子氏
15:10 〜 15:30 産業保健総合支援センターからのご案内
山梨産業保健総合支援センター
産業保健専門職 小川理恵氏
15:40 〜 15:50 総括
サッポロビール株式会社 人事部
プランニング・ディレクター 村本高史氏


基調講演


「治療と仕事の両立支援に向けて~がんサバイバーの実体験や企業事例を交えて~」

サッポロビール株式会社 人事部 プランニング・ディレクター 村本高史氏

 村本氏は2009年春、頸部食道がんを発症。放射線治療により寛解したが2年後に再発。手術で食道上部の再建とともに、声帯を含む喉頭を全摘出したが、その後食道発声法を習得し、声を取り戻した。現在はその経験も踏まえ、同社の「治療と仕事の両立支援」に取り組んでいる。村本氏は、どんな企業でも自社の持ち味を活かしたやりようが必ずある!とし、治療と仕事の両立支援を進める際のポイントとして「本人との対話を大切にすること」「経営者の理解・応援・率先」「周囲の社員への配慮も忘れないこと」を踏まえながら、率直な対話と信頼関係で「社員の使命感を活かす」ことが大切であるとした。


各企業・医療機関の取り組み


「キヤノンファインテックニスカの取り組み紹介」

キヤノンファインテックニスカ株式会社 増穂事業所 経営管理センター 管理部 神坐修氏

 埼玉県三郷市に本社を置き、事務機周辺機器・プリンター・コンポーネントなどの企画・開発・生産・販売を行う同社のうち、約800名が開発・生産拠点の増穂事業所で働いている。同社はキヤノングループの行動指針にある「健康第一主義」をモットーに両立支援に取り組み、傷病者対応においては、適切な健康管理制度の整備・傷病休職制度の整備・丁寧な対応の3つを大切にしていると紹介。特に個別対応については、休業前、休業中、復職前、復職後とさまざまなタイミングで面談を実施し、都度、主治医・産業医・人事部門と連携しながら、その時点での本人の状況把握を行い、必要な配慮の検討を実施。神坐氏は「両立支援においては制度面の整備も必要ではあるが、本人の働きたいという気持ちに寄り添いながら、労働環境を整えることが何よりも大事だとし、そのためには関係者の密な連携・面談を繰り返しながら本人や家族が納得できる形での就業継続を目指す必要がある」と締めくくった。


「ファナックの取り組み紹介」

ファナック株式会社 経営統括本部 人事本部 労務部 労務課長 松尾祥子氏

 山梨県南都留郡忍野村に本社を置くファナックは、電気機器メーカーとしてグローバルに事業を展開している。従業員数は3800名を数えるが、同社が両立支援に取り組むようになったきっかけは、今後企業では「治療を続けながら働くことを望む人が増加する」という経営陣の先見性に端を発している。こうしたトップの明示の下、2018年4月から具体的な整備を進め、人事本部労務部内に相談窓口を設置した他、休業・休暇制度の改定、休業期間の延長、短時間勤務制度の新設などを行い、社内イントラネットや両立支援に関する社内規則の策定により社員へ周知を行っていると紹介。松尾氏は相談窓口の担当者として「社員の話をよく聞いて、不安を少しでも取り除くことを心掛けている」と話し、「今後も治療中の社員から悩みをしっかり聞き、また適宜産業医とも相談しながら検討・対応を進めていきたい」と語った。


「山梨産業保健総合支援センターからのご案内」

山梨産業保健総合支援センター 産業保健専門職 小川理恵氏

 山梨産業保健総合支援センターからは、企業に向けた両立支援の支援サービスが説明された。サービスは事業場規模にかかわらず、誰でも、無料で受けることができる。具体的には相談対応や研修・セミナーの開催、個別訪問支援(事業場での両立支援に関する助言・支援)や、個別調整支援(両立支援プラン作成を助言・支援)を実施。同センターホームページでもメールマガジンの配信や各種情報を取得できるとし、センターの一層の活用を呼び掛けた。


セミナー総括

 最後に、基調講演に登壇した村本氏が全体総括を行った。村本氏はこの日の講演を振り返った上で、「本日の登壇者は、傷病を抱える当事者ときちんと向き合うことを大切にしている点が共通していた。両立支援の第一歩は自社のリソースや社として何を大切に考えているかを社内周知することではないか」とポイントを整理、さらに「自社だけで全てに対応することは難しく、厚労省のガイドラインや産業保健総合支援センターなどの外部リソースも活用してほしい」と、セミナーを締めくくった。

(左から)サッポロビール株式会社 人事部 プランニング・ディレクター 村本高史氏、キヤノンファインテックニスカ株式会社 増穂事業所 経営管理センター 管理部 神坐修氏、ファナック株式会社 経営統括本部 人事本部 労務部 労務課長 松尾祥子氏、山梨産業保健総合支援センター 産業保健専門職 小川理恵氏
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